レントゲン写真を見つめる女性の患者

ひどい鼻づまりで頭が重く感じることはありませんか。ただの風邪が原因であれば2~3日で症状も改善されるはずなのに、どうも鼻づまりだけ長引くといった症状の場合「蓄膿症」が疑われます。

今回は頭がぼんやりしたり痛くなったりする原因でもある「蓄膿症」についてお伝えします。


   


蓄膿症の8つの症状!3つの対処法とは


1)そもそも「蓄膿症」とは

一般的に「蓄膿症」とよばれるのは、「慢性副鼻腔炎」のことです。副鼻腔炎には「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とに分かれます。

(1)急性副鼻腔炎

一般的に、一ヶ月ほどで症状が無くなる副鼻腔炎を「急性副鼻腔炎」と呼んでいます。細菌感染が主な原因です。
特徴としては、片側の鼻づまり・頭痛や発熱、顔や鼻周りの痛みが挙げられます。

(2)慢性副鼻腔炎

この「慢性副鼻腔炎」が蓄膿症の別名です。「急性副鼻腔炎」が2ヶ月以上続くと「慢性副鼻腔炎」=「蓄膿症」と診断されます。今現在、一般的に言われる慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が、「急性副鼻腔炎の延長である」というものだからです。

特徴としては、「急性副鼻腔炎」よりも顔面などの痛みは感じませんが、両側の鼻がつまる、頭がより一層重たい、痛いと感じることが多いようです。


2)蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の8つの症状

(1)鼻水(黄、緑色の膿を伴うことも)
(2)両側の鼻づまり
(3)副鼻腔部分が痛い
(4)発熱
(5)頭痛
(6)鼻水が喉に流れる(後鼻漏)
(7)嗅覚が落ちる
(8)口臭がする


3)蓄膿症の3つの原因

(1)風邪

最も多い原因とされます。風邪によって発生した鼻の粘膜の炎症が、副鼻腔にまで広がり、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

鼻水や鼻づまりなどの症状が長引いたり、繰り返したりすることによって、副鼻腔にも炎症が起こりやすくなるのです。また、風邪ウイルスが鼻腔を通って副鼻腔内に侵入し、炎症を引き起こすこともあります。

(2)花粉症などのアレルギー症状

風邪と同じように、鼻腔内の炎症が、鼻の奥の副鼻腔にまで達することでちくのう症(蓄膿症)を発症します。

アレルギー症状は習慣化することが多いため、副鼻腔の炎症も起こりがちになります。花粉に限らず、ハウスダストやダニ、ペットなどによるアレルギー症状も同様です。

(3)虫歯

上顎の奥歯は副鼻腔と接しているため、神経が死んでしまった根の先や歯周ポケットから副鼻腔に細菌が入り副鼻腔炎になりやすくなります。

資料で説明をする男性ドクター


4)蓄膿症と頭痛の関係

副鼻腔の換気障害から頭痛が起こります。副鼻腔は鼻を中心に広範囲で広がっている空洞です。空気の通り道である鼻腔が炎症を起こし腫れることで、副鼻腔に空気がいきわたらず換気障害を起こします。

この換気障害によって副鼻腔内部が陰圧となり、三叉神経の刺激症状が発生し頭痛や顔面痛をひき起こします。

痛みの発生部位の代表的なものは、目の奥、眉間、こめかみ(おでこ)、頬部(上奥歯付近)が痛むことが多いようです。

また三叉神経の関連痛で頭の全体的な疼痛や後頭部痛などが出ることもあり、痛みを感じる部分は広範囲です。頭が重たく「ぼ~っ」とする「頭重感」と呼ばれる症状もあります。

「急性副鼻腔炎」に多い症状ですが、目も開けられず、その場にうずくまる程痛む場合もあります。慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)の方も風邪やアレルギーで症状が悪化した場合に生じることがあります。


5)蓄膿症の症状を和らげる3つの対処法

蓄膿症は細菌感染が原因となっている場合が多いので、まずは耳鼻咽喉科などで処方される抗生物質などで治すことが大前提ですが、治療中の不快な症状を和らげる為のポイントをお教えします。

(1)強引にすすらない

鼻が詰まっている状態で強引にすすったり、かんだりすると鼻の内外部の気圧が変化し、今ある頭痛や顔面痛がさらに悪化する場合があります。

(2)温湿布

激しく痛む場合の緊急の対処法です。熱いお湯でしぼった43~44度温度のおしぼりやタオルで鼻の両側を抑えます。冷めたら効果がないので、こまめに交換しましょう

(3)鼻づまりや鎮痛効果のあるツボを刺激する

・上星

髪の生え際から親指の横幅一本分上にあります。「鼻水、鼻詰まり、頭痛」に効果があり、「花粉症、いびき」の改善にも効果があります。

・印堂

眉間の中央部分にあります。「鼻水、鼻詰まり」の改善効果が期待できます。

・迎香

小鼻の左右に存在する少しへこんでる部分です。「鼻水、鼻詰まり、嗅覚異常」の改善にも効果があります。

・合谷

手の甲の親指と人さし指の付け根にあります。痛みが出ている側の手のツボを刺激します。

合谷は痛みを麻痺させる効果があります。合谷を指圧すると、鈍い痛みが脳に伝わり、脳が痛みを緩和させる「エンドルフィン」という物質を大量に分泌し、脳が感じていた痛みをマヒさせて痛みがやわらぎます。


   


今回のまとめ

1)「蓄膿症」とは一般的に「急性」の副鼻腔炎の症状が長引いた「慢性」副鼻腔炎を指す。

2)自分で感じる程の鼻汁の匂いがしたら、膿が出ている証拠。

3)膿が溜まって痛みが生じるようになったら酷くならないうちに耳鼻科を受診する。

4)強くすすったり、強く鼻をかむ行為は、頭痛につながる。

5)治療中の不快な症状には温湿布やツボ刺激が効果的。

6)鼻とは関係なさそうな「虫歯」も原因になりうるので、早めに治療しておく。

以上が今回の「蓄膿症と頭痛の関係」記事になります。

「鼻かぜかも?」といつまでも続く鼻づまりを放置していると、頭痛を伴う諸症状に長期間悩まされることになります。

また、副鼻腔は顔の中心に位置し脳や目、耳などの重要な器官に近いため、副鼻腔の炎症から脳膿症や髄膜炎などの合併症を引き起こすこともあり、稀ではありますが、命にかかわる重篤な症状につながることもあります。

ちょっと鼻づまりが長引くなと思ったらすぐに耳鼻科への受診をお勧めします。