デスクでカルテを記入している医者

緊張すると口が渇いた経験は誰にでもあるかと思います。短時間ならともかく、常に口が渇いた状態になると様々な健康被害を及ぼします。そんな口の渇きによる症状がなぜ起こるか、唾液が少ない原因・考えられる病気の可能性・治療方法を紹介します。


   


唾液が少ないのはなぜ?考えられる3大原因と対処方法とは


1)そもそも唾液の役割とは?健康な唾液の2つの特徴とは

(1)消化作用

食事の際、噛むことで知らないうちに多くの唾液を分泌しています。唾液中にある消化酵素(アミラーゼ)がデンプンを分解して、体が栄養を吸収しやすいようにしてくれています。唾液が十分でない場合は胃に負担がかかり思うように消化ができない場合があります。

(2)抗菌作用

体内の入り口となる口内は様々な菌が存在し、常に増殖を続けています。唾液はそんな菌を取り除く抗菌作用をもっています。そのため、唾液が少ないことで口内を洗浄する自浄作用が低下し、虫歯や歯周病になりやすくなります。朝起きたら口内がネバネバするのは唾液量が少なくなく、多くの菌が発生しているためです。

2)唾液が少ない場合の3大原因とは

(1)ストレス

唾液を分泌する唾液腺は自律神経に影響を受けやすいのでストレスを感じると交感神経が優位となり唾液がすくなくなります。そのため、大事な会議やイベント前の緊張するときは唾液が必然的に少なり、菌が繁殖しやすくなります。ストレスと同様に疲れも自律神経に影響を与え、口内が粘つきやすくなります。

(2)薬の副作用

日ごろ服用している薬によっては唾液量が少なり、口が乾きやすくなるといった副作用があるものがあります。薬によって副作用は異なるため、自分が服用しているものの副作用は確認をするようにしましょう。

(3)筋力低下

老化や体質によっては唾液線を囲んでいる筋肉量が低下し、唾液腺が刺激を受けにくくなります。そのため、唾液の量が低下し、虫歯や歯周病になりやすい体質になります。筋肉を鍛えることで改善されます。

3)試せる応急処置はある?症状への対処方法とは

(1)間食で保湿

ガムやタブレットなど、砂糖を含まずかつ、歯にいいキシリトール等を含むものを摂取することで口の中を保湿することができます。ストレスを感じたとき、緊張したとき軽く口に含み口内を保湿しましょう。

(2)酸っぱい食べ物を摂取する

レモンや梅干しなど酸っぱい食べ物を摂取することで唾液腺が刺激され唾液が出やすくなります。すぐに摂取できない場合は酸っぱいものを想像するだけで脳が味を覚えているので唾液が出る場合もあります。

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは

口内が渇くことは誰にでもありますが、渇き具合で病気かどうかの判断ができる場合があります。特に日常生活に支障がでるほどの渇き、例えば、喋ることができない、口の中が切れる、出血が止まらないなどといったことです。歯茎から嫌な臭いがしはじめたら歯周病の症状の場合が大半です。

Doctor visiting a patient

5)症状が続く場合に・・考えられる3種類の病気とは

(1)シェーグレン症候群

発見したスイス人の名前からその名をシェーグレンといい、30代以上の女性に起こりやすい全身性の自己免疫疾患のことをいいます。この病気を発症する人の大半は眼の渇きや口内乾燥の症状に悩まされ、患者の約5%が悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン血症を発症するといわれています。患者数は日本だけで10万以上いると推定されていますが、中にはなんの症状も出ない場合もあります。

(2)唾石症

名前の通り、唾液腺に結石を生じる病気です。尿道結石や胆石と同様の結石で腫れや痛みなどの症状がでます。痛みは激しく、生活に支障がでます。勝手に結石がなくなることはなく、すぐに病院で処置をする必要があります。 

(3)唾液腺腫瘍

唾液腺に主要ができるもので悪性の場合は癌と認識され他の部位に転移する前に取り除かなければ体全身に回り、死に至る怖い病気です。しこりが唾液腺にできる、痛みや腫れなどの症状がでます。急にしこりを感じることがあれば悪性の可能性が高いといわれています。

6)病気の場合には?行われる可能性のある検査・治療方法とは

(1)検査

・レントゲン検査

 X線を使用して、唾液腺の異常を調べます。腫瘍の有無、結石の有無も調べることができます。検査費用2000円以下が一般で、結果もすぐ知ることができます。

・血液検査

血液の成分を調べることで腫瘍が悪性かどうか、唾液腺に炎症がないかなどを調べることができます。一般的な検査でありながら精密度が高く、結果は3日~5日ほどでわかるところがほとんどです。検査費用は問診含めて4000円以下になる場合がほとんどですが、検査内容によっては高くなる場合もあります。

(2)治療

・薬物療法

結石を小さくするまたは炎症を抑える薬を症状によって服用します。口内乾燥の症状が強い場合は口内の細菌を殺菌するための成分のトローチなどを服用する場合があります。症状によって様々な種類の薬を服用するので医師に副作用含めて確認をしたうえで服用するようにしましょう。

・手術

腫瘍の場合は、悪性、良性に関わらず手術によって取り除かれる可能性が高いです。腫瘍の大きさにはよりますが、日常生活や見栄えが悪いなどの理由で基本的には取り除かれます。腫瘍が悪性の場合は取り除いた後も経過観察のため継続的に検査をうけます。手術費用は部位にもよるため、医師に事前に確認を取りましょう。

7)日常生活から改善を!唾液が少ない症状への予防習慣

(1)リラックスする

仕事や家事で日ごろからストレスや緊張しやすい環境にいる人は仕事が休みの日にできる限りリラックスするようにすることが必要です。湯舟で30分以上ゆっくりする、好きな音楽を聴く、ヨガやジョギングで体をしっかり動かす、週末、趣味を楽しむといったことです。心身ともにリラックスできる時間をつくることで副交感神経が優勢となり、唾液の量も増えていきます。

(2)顔のマッサージ

唾液腺を刺激するマッサージを日ごろから行うことで唾液量を増やせる場合があります。頬っぺたを時計回りに手で10回1セットをドライマウスが気になるときに行ってみてください。粘り気のある唾液がでます。また、親指で口下のあご下を押すことで水っぽい唾液がでます。それぞれには抗菌と消化それぞれ役割があるので両方のマッサージをマウスドライが気になるときにやってみてください。

(3)歯磨き粉をかえる

ドライマウスに悩む人は唾液に含まれるカルシウム、リンとミネラルが不足しているといわれています。そのため、それらの要素が含まれる歯磨き粉を使用することによって口内環境を整えることができます。歯医者さんに相談した上で、自分に口内環境にあった歯磨き粉を使用するようにしましょう。


   


今回のまとめ

1)そもそも唾液の役割とは?健康な唾液の2つの特徴とは

2)唾液が少ない場合の3大原因とは

3)試せる応急処置はある?症状への対処方法とは

4)これって病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは

5)症状が続く場合に・・考えられる3種類の病気とは

6)病気の場合には?行われる可能性のある検査・治療方法とは

7)日常生活から改善を!唾液が少ない症状への予防習慣