ペンを胸ポケットに入れたドクター

顔面麻痺はある日突然起こります。朝、洗顔時に目が浸みる、飲み物を飲もうとしたら口からこぼれてしまった、そして初めて顔面神経が麻痺していることに気づきます。それでは、この顔面麻痺を起す原因とその症状について、ご紹介いたします。


 


【解説】顔面麻痺の原因って?チェックすべき6つの前兆症状


1)症状の解説!顔面麻痺の9つの症状とは

顔面麻痺の一般的な症状をご紹介します。

(1)顔面表情が歪む(左右が対称でない)。

(2)麻痺している側、額のしわ寄せができない。

(3)目をきちんととじれない。麻痺側の白眼が残る。

(4)麻痺している側の鼻唇溝が浅くなる。

(5)麻痺している側の口角が下がる。

(6)口笛が上手く吹けない。

(7)音が大きく感じる。

(8)麻痺している側の舌の味覚が低下する。

(9)瞼が完全に閉じないので目が乾燥する。

顔面麻痺は、片側だけに現れる場合と両側(顔全面)に麻痺が出る場合があります。片側だけに麻痺が現れた場合、麻痺している側の表情筋が、麻痺していない側に引っぱられるようになるので、顔が片方に歪みます。両側(顔全面)に麻痺が出た時は、顔の筋肉をうまく動かすことができず顔全体が無表情になってしまいます。

2)なぜ現れる?顔面麻痺の5つの原因

顔面麻痺は、大きく2つの種類に分けられています。

(1)中枢性顔面神経麻痺

脳梗塞や脳出血などの、脳血管障害が原因です。

(2)末梢性顔面神経麻痺

ベル麻痺、ラムゼイ・ハント症候群、ギラン・バレー症候群に代表される顔面麻痺です。顔の神経は、脳から出て、側頭骨にある顔面神経管(骨で囲まれた狭い管)を通って、耳下腺を経て顔面に分布しています。

この顔面の神経が何かの原因で腫れると顔面の神経を圧迫して麻痺を起すと考えられています。そして顔面神経の70%は、顔面神経管のある、側頭骨内に障害が起因していると言われます。

症例別にその原因は下記の3つです。

ベル麻痺
急性発症して原因が不明。寒さや冷えから循環不全を起こすこと、ストレスが原因と考えられている。

ラムゼイ・ハント症候群
帯状疱疹ウィルスの感染による。

ギラン・バレー症候群
水泡、インフルエンザなどの感染症、ワクチン、薬など。

(3)顔面麻痺の5つの原因

顔面麻痺の原因ははっきりしていない物もありますが、次の5つが大きく起因していると考えられています。

脳血管障害(中枢性顔面神経麻痺の場合)

寒冷曝露(かんれいばくろ)

冷房、冷たい外気に長い時間あたった為、体が冷え切って体温が戻りにくくなること。

アレルギー/ストレス

局所浮腫(きょくしょふしゅ)、

静脈、リンパの流れが悪くなり、局所の炎症で生じるむくみ、はれのこと。

ウイルス感染

3)要チェック!6つの予兆とは

人により個人差がありますが、顔面麻痺の症状が現れる2日〜1週間前に次のような症状が現れます。

(1)耳の後ろ側や、下部辺りが痛い

(2)目に違和感が出る(開けにくい、閉じにくい、物もらいが出たような感じ)

(3)舌に違和感が出る(舌先が荒れてひりひりした感じ、口内炎が出たような感じ、味が良く分からない)

(4)のどの違和感が出る(扁桃腺が腫れているようなのどの痛みがある)

(5)頭痛がある(偏頭痛のような感じで痛いところが動き、はっきりしないがとても痛い)

(6)奥歯が痛む(奥歯、親知らずの生える辺りがひどく痛む)

Doctor talking to his female patient

4)理解しよう!顔面麻痺と他の病気との関係

顔面麻痺は末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺など)以外にも、中耳炎などの耳が原因の病気や、おたふくかぜ(耳下腺炎)で麻痺が起きることもあります。中枢性顔面神経麻痺のように、脳梗塞や脳出血などの、脳血管障害が原因となって顔面に麻痺が起きます。脳血管障害ではなくとも、動脈瘤が顔に痙攣や麻痺を起すこともあります。

5)専門家でできることとは?主な4つの治療方法

顔面麻痺の治療は大きく分けて次の3つがあります。

(1)薬物療法

・副腎皮質ホルモン、血流改善剤やビタミン剤(B12やE)、神経賦活剤などを使用。

・抗ウィルス薬

・混合ガス(酸素95%+炭酸ガス5%)の吸入して、顔面神経の血流を改善させる。

(2)星状神経節ブロック療法

局所麻酔剤を星状神経節と呼ばれる自律神経注入し血流の改善をする。

(3)外科手術療法

薬物療法や星状神経節ブロック療法を行い、半年以上経過しても症状が改善されない場合。

・顔面神経減荷術

・麻痺後遺症に対する外科手術

(4)リハビリテーション療法

麻痺した筋肉をゆっくりとマッサージしたり、顔面の筋肉をはたらかせる練習をする。

6)日常生活から改善を!顔面麻痺への予防ポイントとは

顔面麻痺の予防方法は今のところ知られている物がありません。ですが、体の抵抗力が弱まりウィルス感染し顔面神経の腫れを起こしたり、冷房の利いた部屋での睡眠後に麻痺が出ることも多く見られることから、引き金となる状況には共通するものがあります。

(1)生活習慣

疲れをためない

睡眠不足にならないようにする

ストレスを解消する

運動などを取り入れる(血行を良くし、新陳代謝を上げる為)

タバコ、アルコールは控えめに

(2)食生活

体の抵抗力を保つために、好き嫌いなくバランスのとれた食事を心がける。スナック菓子、ファーストフードは控えましょう。

(3)その他(体を冷やさない)

・夏期

冷房の利いた部屋に長く居ない、冷房の風に直接当たらないなど工夫する。

・冬期

冷たい外気にに長く触れないようにする、体が冷えない工夫をする。冷たい風が顔面や首筋に長い間あたるのを避けるようにする。

夏、冬以外の季節でも、体を冷やさないようにするのが大切です。


   


まとめ

1)症状の解説!顔面麻痺の9つの症状とは

2)なぜ現れる?顔面麻痺の5つの原因

3)要チェック!6つの予兆とは

4)理解しよう!顔面麻痺と他の病気との関係

5)専門家でできることとは?主な4つの治療方法

6)日常生活から改善を!顔面麻痺への3つの予防ポイント