患者に語りかける男性のドクター

現在、約 1,000 人に1人認められるという「群発性頭痛」。働き盛りの20〜40 代男性に多く 見られるこの頭痛は、一度発症すると毎日のように、しかも周期的に激しい痛みが襲います。

今回はこの群発性頭痛の解消法や予防ポイントなどについて御紹介します。


   


群発性頭痛の2つの症状!解消のポイントとは


1)群発性頭痛とは

(1)「緊張型頭痛」と「群発性頭痛」

頭痛の大半は「機能性頭痛」と呼ばれます。この機能性頭痛の代表的なものとして「緊張型頭痛」 と「群発性頭痛」(群発頭痛とも呼ばれる)があります。

緊張型頭痛は、頭痛全体の70〜80%を占め、日本人成人の約 22%にこの頭痛が起こってい るといわれています。

一方、群発性頭痛は働き盛りの 20〜40 代男性に多く見られ、患者数は女性の3〜7倍とい われています。

現在、約 1,000 人に1人がこの頭痛に悩まされています。

(2)群発性頭痛の特徴

群発性頭痛は、目の奥(眼窩部)がえぐられるような痛みの激しい頭痛で「群発地震」の ようにある期間に集中して起こることからこう呼ばれています。

症例は少なく、診断にも時 間がかかる非常に厄介な頭痛です。一度痛みが発生すると毎日のように、しかも夜中から朝方にかけてその痛みが現れやすい のが特徴です。

痛みは 15 分~3時間ほど継続し、一旦発症すると断続的に1〜2カ月間続き、日常生活に支障を来す場合も多いと考えられます。

群発期を過ぎるとしばらくの間症状は治まりますが、2〜3年周期で発作を繰り返すとい われています。


2)群発性頭痛の主な2つの症状

群発性頭痛はおもに以下のような症状が現れます。

(1)目の周りの痛み

頭痛とともに片方の目の周りや目の奥、こめかみあたりがえぐられるような痛み

(2)自律神経の症状

涙、鼻水、鼻づまり、目の充血、まぶたの腫れなどの自律神経症状

痛みの程度は極めて重度であり、あまりの痛さにじっとしていられず、痛みがある間はうろ うろと歩き回りたくなるそうです。

時に激しく壁に頭を打ちつけたり、頭を殴りたくなるよ うな衝動に駆られるなど、激しい行動を伴うことが多いようです。


3)群発性頭痛の原因

群発性頭痛の原因はまだ解明されていない部分もありますが、目の奥にある内頸動脈が何
らかの原因で拡張して発生すると考えられています。

目の奥を通っている血管が炎症を起 こすため、目の奥が痛み、涙や充血などの症状を併発します。

日常の生活習慣も影響しているといわれ、いわゆる群発期にアルコールを摂取するとほぼ 100%の確率で痛みが起こります。

アルコールのほかにも、タバコ、気圧の急激な変化、疲労などもその原因といわれています。

Doctor analyzing problem of her patient


4)群発性頭痛の2つの解消法

強い頭痛を感じたらとにかく早く神経内科もしくは脳外科などの専門医を受診し、適切な 治療を受けることが重要です。

現状において、群発性頭痛の緩和および治療は以下の2つが おもな方法と考えられます。

(1)純酸素吸入法

酸素ボンベからマスクで酸素を吸って痛みを緩和させる方法です。

かかっている病院から 医療用の酸素ボンベとマスクをレンタルし、痛みが現れたらできるだけ早く吸入すること がポイントです。

5分程度の吸入で痛みが和らぎ、約 80%の人に効果があるといわれています。

(2)薬物療法

薬物療法としては、第一選択の薬として「スマトリプタン」を使用が考えられます。優れた 鎮静効果があるといわれるものです。

2008 年より自分で注射することが可能となっており、 保険適用も認められています。このほか、「インダシン座薬」といった消炎鎮痛薬を処方される場合もあります。


5)群発性頭痛の2つの予防ポイント

(1)予防的な治療

痛みが生じる前(就寝前など)に、タイミングよく「エルゴタミン製剤」や「トリプタン系 薬剤」を服用することで睡眠中の発作を予防できる場合があります。

このほか、「カルシウム拮抗薬」や「副腎皮質ステロイド」などが医師の判断をもって使用 されることもあるようです。

(2)セルフケア

群発性頭痛の発作を助長する要因の除去が大切です。群発期の飲酒・喫煙は一切避けます。

気圧の変化で血管の拡張につながる飛行機の利用や登山なども群発期には避けた方がいい かも知れません。

どうしてもという場合には医師に相談するようにして下さい。入浴の際に発作が起こることも認められますので、浴槽に浸からずシャワーで済ませるな どの注意も必要といえます。


   


今回のまとめ

1)群発性頭痛を発症すると、毎日のように夜中から朝方にかけて激しい痛みが現れ、痛み は断続的に1~2カ月間続き、2~3年周期で発作を繰り返す。

2)目の周りや目の奥、こめかみあたりがえぐられるような痛みとともに、涙や鼻水、鼻づ まり、目の充血などの自律神経症状を伴う。

3)原因はまだ解明されていない部分もあるが、目の奥の内頸動脈が何らかの原因で拡張し て発生すると考えられている。

4)現状においての治療法(緩和法)は、「純酸素吸入法」と「薬物療法」であり、「スマト リプタン」の使用が効果的だと考えられている。

5)予防のポイントとしては、痛みが生じる前(睡眠前)に「エルゴタミン製剤」などを服 用すること。

また、セルフケアとして、群発期の飲酒・喫煙は避けるなど、発作を助長する 要因の除去が大切である。

以上、群発性頭痛の特徴から原因、解消法と予防法などについて記してみました。

まだ発症 する原因ははっきりしていないため、完全な予防は困難かも知れませんが、治療の方法やセ ルフケアが少しでもお役に立てれば幸甚です。