患者に薬を処方している医師

インフルエンザは冬にかかることの多い病気で、高熱を伴うということはご存知だと思います。年々いろいろなタイプのインフルエンザが出てくる近年、熱が下がらないこともあると思います。

そんなインフルエンザで熱が下がらないときの原因についてご紹介します。


   


インフルエンザで熱が下がらない場合に!3大原因を解説

1)そもそもインフルエンザとは?

(1)インフルエンザのメカニズム

インフルエンザは冬になると流行しはじめる風邪を重症化させたような症状の病気です。最近では、5月6月になっても流行しているというようなことも珍しくないインフルエンザです。何故インフルエンザになるか、というと、インフルエンザウイルスが体内に侵入し、その後細胞で増殖することで発症します。

感染経路は3つ。空気感染、飛沫感染、接触感染の3つです。一般的には1週間から10日ほどで完治するのですが、抵抗力が弱っている人や高齢者、子どもなどは重症化して長引くこともあります。

(2)インフルエンザに種類はある?

インフルエンザウイルスには3つの種類があります。A型、B型、C型の3種類があり、毎年3つのうちのどれが流行するのかは流行が始まってみなければわからないという難しい流行のし方をします。ほとんどの場合A型かB型が流行します。大流行を呼ぶ年のインフルエンザの型はA型と言われています。

2)症状をチェック!インフルエンザかどうかの4つの判断基準とは?

(1)流行の時期

風邪は1年中かかる可能性がありますが、インフルエンザの場合だいたい秋から春までにかけてかかります。11月から3月くらいまでですが、最近では5月や6月くらいまで流行する場合もあります。

(2)症状の悪化状況

風邪は比較的緩やかに悪くなっていきます。鼻水が出たり、喉が痛くなってから熱が出るまでには時間がかかったり、熱が出ずにそのまま収束したりしますが、インフルエンザはそうはいきません。インフルエンザにかかった場合は、急激に悪くなります。

(3)

風邪の場合は微熱程度の熱の場合が多いですが、インフルエンザの場合38度以上の高熱が出ることが多いです。ですが、最近のインフルエンザは37度台でもインフルエンザの診断が下ることがありますので、早めの病院の受診が不可欠でしょう。

(4)熱以外の体に出る症状

風邪の場合は、症状の重さによっても違いますが、鼻水や鼻づまり、頭痛、喉の痛みがあります。インフルエンザは全身症状になります。全身倦怠、筋肉痛や関節痛のような体中の痛み、頭が割れるように痛い、喉が痛く咳が出るなどです。特に体中の痛みは特徴的です。

3)インフルエンァで熱が下がらないのはなぜ?考えられる3大原因

(1)ウイルスと戦っているから

インフルエンザは体内にインフルエンザウイルスが入ってくることで感染します。そのため、インフルエンザウイルスと体が戦っているために高熱が出ます。長引くときは7日間ほど熱が引かない場合もありますし、40度以上の高熱が出ることも珍しくはありません。

無理せずに安静にすることが大切になります。それでも気になる症状があるときには医療機関を受診しましょう。

(2)合併症を起こしている可能性

インフルエンザとはいえ、1週間以上の高熱が続く場合は合併症を引き起こしている可能性もあるので注意してください。合併症には以下のようなものがあります。肺炎、脳症、気管支炎、胃腸炎、中耳炎。放置してしまうと重症化するので、1週間以上熱が下がらない場合は医療機関を受診しましょう。

(3)薬の性質上

インフルエンザの薬で、タミフル、イナビル、リレンザなどの名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか?このような抗インフルエンザ薬は、発熱から48時間以内に服用することで効果を発揮します。しかし、48時間を過ぎてからこれらの薬を飲んでも、十分な効果が得られないこともあります。そのような場合に熱が長引いてしまうことがあります。

4)どんな対処方法がある?自分で試したい対処方法とは

(1)解熱剤の服用

発熱しているときは体の中でウイルスをやっつけるために戦っている証拠だから解熱剤などは使わない方がいい、と思われがちです。しかし、あまりにも体がぐったりしているときや、38度5分以上の高熱が続く場合は体への負担が心配になります。

こういった場合は、アセトアミノフェン系の解熱剤を服用することをおすすめします。アセトアミノフェンの解熱剤は、効き目が緩やかで、発熱で自然治癒している体内を邪魔することなく負担を軽減させることができるのです。多くの場合は、子ども用に処方されることが多い解熱剤です。大人の場合は、病院で別の解熱剤を処方されていることが多いので、一緒に服用しても大丈夫か確認してから飲むようにした方がいいでしょう。

(2)着ているものの調節を適切に

発熱していて暑くて汗が出ているのに、熱が出ているときは厚着をしなければならないから、と厚着をしている人はいませんか?実はこれは逆効果なのです。体が熱を持ち、熱い状態の時は、熱を発散している状態なのです。そんなときは厚着ではなく、薄着をして熱の放出を妨げないようにしましょう。

厚着をしていると、熱が逃げていきません。ただ、熱が上がっている状態の、寒気がしているときには薄着ではいけません。体を温めて暖かくしてください。

(3)水分補給

発熱しているときには大量の汗をかきます。大量の汗をかくという事はそれだけ水分が外に逃げていっている状態です。汗をかかないようにしてもいけません。汗をかくことで熱が発散されやすくなるからです。無理に汗をかかなくてもいいのですが、自然に汗をかくことが大切になります。

汗をかいた分、体内の水分が不足しないように、水分補給をすることが重要です。水分補給をする際は、水やお茶だけだと、体液が薄まってしまい脱水症状を引き起こす可能性があります。塩分や糖分も一緒に摂取しましょう。イオン飲料や、経口補水液などを使うと簡単にこれらの水分補給ができるでしょう。

Women suffer from hay fever

5)これってさらに何かの病気?病気かどうかのチェック・判断基準とは

インフルエンザにかかり1週間安静にしているのに熱が下がらない場合は合併症を疑うことも必要です。呼吸が荒かったり、咳がひどい場合には肺炎の可能性があります。コンコンという乾いた感じの咳から、痰が絡んだゴロゴロというような席に変化した場合は、気管支炎の可能性があります。炎症がひどくなると呼吸困難の危険もあります。

脈をとってみて、脈拍が不規則な場合は心筋炎や心膜炎の可能性があります。腕や脚に筋肉の痛みが見られる場合はウイルス性の筋炎にかかっている場合があります。子どもの場合は、耳を激しく痛がる場合などは中耳炎の可能性が高くなります。いろいろなチェック方法がありますが、一番は1週間以上熱が下がらない場合は、何かしら他の病気を発症している可能性が高いという事が言えます。

6)病気の可能性とは?考えられる3種類の病気

(1)インフルエンザ脳炎

またの名をインフルエンザ脳症といいます。インフルエンザウイルスが脳に侵入してしまい、炎症を起こして脳の機能が低下してしまう疾患です。発熱から24時間から48時間ほどで急激に体調が変化します。嘔吐、痙攣、意識障害などがみられるようになります。

そして、妄想や幻覚などによる異常な言動も現れるようになります。1~3歳児に主に発症することが多く、そのうちの30%が死亡、25%に運動麻痺など後遺症が残る非常に重大な病気です。

(2)心筋炎

心筋炎とは、心臓を動かしている筋肉がインフルエンザウイルスに感染することで炎症を起こしてしまう疾患です。重症化すると劇症型心筋炎になってしまうこともあるので早い対応が必要になります。症状は、発熱、せき、喉の痛み、全身倦怠などの症状も出ますが、それに続き、動悸、不整脈、呼吸困難などの症状が見られます。

(3)肺炎

インフルエンザで体の抵抗力が弱まってしまい、ウイルスや細菌が肺に入り込んでしまい炎症を起こすこともあります。喉が痛くないのに咳が出る、38度以上の高熱が1週間以上続くようだと肺炎を疑った方がいいでしょう。免疫力の弱い、高齢者や子どもが合併症として発症する例が多く、ひどいと死に至ることがあるので十分注意が必要です。

7)症状が続く場合は注意!試される可能性のある検査・治療方法

(1)検査方法

一番多い合併症として、肺炎を例にあげてみます。検査方法としては、どの肺炎なのかを調べます。肺炎にもいくつかの肺炎があります。ウイルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、細菌性肺炎、嚥下性肺炎のどれに当てはまるかを調べます。

(2)治療方法

ウイルス性肺炎の場合は、原因となるウイルスに対抗する抗ウイルス剤で治療します。インフルエンザが原因ならば、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタなどの薬を使用します。マイコプラズマ肺炎の場合は、軽症で治ることが多く10代から30代の人によく出てきます。マクライド系、テトラサイクリン系、ケトライド系の抗菌薬で治療します。

クラミジア肺炎の場合は、オウム病や結膜炎の一種であるトラコーマが原因で起こります。重症化するケースは少ないです。テトラサイクリン系、ニューマクロライド系の抗生物質で治療します。細菌性肺炎の場合は、重症化することも多く緊急に治療を必要とする場合があります。原因菌に合わせて抗菌薬を使って治療をしますが、抗生物質、抗炎症剤も用いて治療します。

嚥下性肺炎の場合は、食べ物が気管や気管支に入ってしまい、胃液が逆流して起こる肺炎です。嚥下性肺炎は抗生物質で治療します。熱が下がらないのは何かのサインの場合が多いです。ですので、熱が長引く場合は早めに病院を受診しましょう。

8)日常から改善を!発熱への予防習慣とは?

まずはインフルエンザにかからないようにすることが大切です。外出先から戻ったら、正しい方法でしっかり手洗いとうがいをすることで外からもちこむ細菌をシャットアウトします。また食事の前にも手洗いをすると効果的です。普段から適度な運動を行ったり、睡眠をしっかり取り、体の抵抗力を高めることも大切です。

もちろんバランスの取れた食事と、規則正しい食生活も重要なことです。インフルエンザの流行する時期までに予防接種を受けておくこともとても大切な予防法です。地方自治体によって、予防接種の金額は違いますが、受けておいて損をすることはないでしょう。現在は予防接種のワクチンもどの型にも適合できるように作られています。

不要不急の人混みへの外出を控えることも大切です。人が多いという事はそれだけいろいろな菌が存在することになります。抵抗力がない時に菌に触れてしまう、という事は感染につながります。


   


まとめ

1)インフルエンザの種類は3種類存在する

2)インフルエンザかどうかの症状のチェックはポイントを抑えるとわかりやすい

3)インフルエンザで熱が下がらないのには3つの原因がある

4)インフルエンザにかかったらしっかり休養をとることがとても大切なことである

5)インフルエンザで1週間以上熱が下がらないときは要注意

6)インフルエンザが起こす合併症は3種類、どれも重要な早急に病院を受診するべき合併症である。

7)インフルエンザは日常生活からしっかり予防のできる病気。抵抗力を高めて菌を持ち込まないことがとても大切