手を握る患者と医師

記憶喪失とは誰にでも起こりうるものとなっており、一種の意識障害により引き起こされる病気となっています。

また、年齢を重ねることで認知症と呼ばれる記憶喪失も起こります。このように様々な種類の、記憶喪失の原因と症状などについてお伝えします。


   


記憶喪失の3大原因!遺伝との関係と対処法とは


1)記憶喪失の違いとは

ここでは、様々な種類のある記憶喪失の種類と特徴についてご紹介させていただきます。

(1)短期記憶障害

この記憶喪失は、短期間の記憶のみを脳に記録していく短期記憶が、本来ならば時間経過とともに長期記憶に置き換えられる筈が、その短期記憶が忘却していくことを指します。

短期記憶障害の場合、記憶を司る海馬が正常な働きを失っていることにより新たな記憶を記録することが困難になるため、認知症と呼ばれる病気と判断されます。

また、短期記憶障害は近々の記憶が欠落していくため遠い過去の記憶は保存されていることになりますが、現在の記憶の欠落が進むとそれまで覚えていた記憶すらも欠落していく為、自身が誰かという判断すらつかなくなる恐れがあります。

(2)長期記憶障害

この記憶喪失は、人間が最低限覚えなければならない事項や生活様式などの出来事を記録する長期記憶が、徐々に欠落していくものを指します。

また、自然と人間の中に入り込む長期記憶が欠落していくと「旧姓」で呼ばれなければ反応ができないなどの日常生活に支障が出てきます。

悪化していき最終的に行きつくところは、家族の名前や顔が思い出せなくなり自身のことも認識ができなくなっていきます。

(3)エピソード記憶障害

エピソードとは生きている間に経験した出来事を指し、よっぽどのことがない限り欠落することは少ない記憶となります。

この記憶喪失は、エピソードそのものが記憶から欠落していくものとなっております。しかし自覚症状がない為、周りの身近な人と会話がかみ合わなくなることで発覚します。

また、会話がかみ合わないということは互いに不快感を持ちますので今後の人間関係に大きく影響していきます。


2)記憶喪失・物忘れ・認知症の違いとは

ここでは、それぞれの記憶障害の違いなどについてご紹介させていただきます。

(1) 記憶喪失

記憶喪失とは、意識障害により過去の特定の記憶を思い出せなくなることとなります。

また、エピソード記憶が欠落する場合が多い為原因とされるものとしてトラウマや極度のストレスなどの精神が関わって自己防衛のために記憶喪失を生命が起こすことがほとんどとなっております。

(2) 物忘れ

物忘れとは、20代をピークに低下する記憶力により引き起こされる忘却現象となっております。

例えば、約束の時間を忘れてしまった。という状況で多いのは約束をしたこと自体は記憶しているが、細かい時間などが記憶より欠落したということになり、時期に思い出すことができます。

これは、健康な人でも起こりうるため、さほど問題視はされません。

(3) 認知症

認知症とは、正常に発達して健康なはずの脳が年齢を重ねてから起こる障害により正常であるはずの脳のレベルが低下していく状態を指します。

老化などの諸要因にて脳機能が低下することにより発症する病的記憶喪失となっております。また認知症は、周辺に及ぼす症状も重大なものが多く介護することすら困難になる恐れがあります。

例えば、暴力的な性格や逆に涙もろい性格になるなど人によって様々ではありますが、人間の心理状態に強く影響する症状をもたらすことが多いです。

この時大切なのは、周りの人が常に優しく接して改めて本人への認識を求めることです。認知症は進行を遅らせることは可能ですが、完全な治療は現代では不可能と言われています。


3) 記憶喪失の3大原因とは

ここでは、様々な側面より記憶喪失の原因をご紹介させていただきます。

記憶喪失の原因として挙げられるものとしては、ストレスや過去の出来事による自己防衛による心因性の記憶喪失、薬や飲酒により意識障害により引き起こされる薬剤系の記憶喪失、頭部の物理的損傷による記憶喪失などがあります。

(1) 心因性の記憶喪失

心因性の記憶喪失が起こる出来事として多いのは『虐待・DV・身内の死』とされています。主に、その人自身に起きた最も衝撃的な出来事が引き金となります。

この場合、自分に降りかかるストレスを記憶から欠落させて防衛を図るために人為的に起こされます。

またこの記憶喪失は、特定の出来事周辺の記憶だけでなく自分の身元などが分からなくなるくらい症状が起こることがあります。

これは、トラウマとなっているものを克服するために精神科などの専門家を家族に連れて行ってもらい通院することで改善が見られることがあります。

(2) 薬剤による記憶喪失

主に精神病にて処方される改善治療のための薬の副作用にて、一部の記憶が欠落していくことがあります。

睡眠導入剤にて記憶障害が出ることもあるため、医師の適切な診断とともに自身の体調と相談をしながら服用することが大切となっております。

この場合直接的な記憶喪失よりも、短期記憶障害として症状が出たり感情に関する記憶が欠落してしまいます。

薬剤による記憶喪失は病院に要求をすると、長期治療により改善することが見込まれます。あってはならない事ですので、ご自身の管理と医師の説明を理解して薬は服用しましょう。

(3) 物理的な衝撃による記憶喪失

事故などによる頭部損傷で記憶喪失をしていくものとなっております。交通事故が原因の怪我により頭部に強い打撃を受ける事により、過去の記憶が消えていくものです。

また、交通事故が心因性の記憶喪失を引き起こす場合があり、事故後の身体的リハビリテーション中に記憶が回復してしまうと身体の回復に影響が出るとして交通事故の記憶喪失は、様々な回復処置に難を極める種類となっております。

Ill man and assisting wife


4)記憶喪失と遺伝の関係とは

(1)遺伝との関連性も考えられる

記憶喪失は家系の遺伝などが関わる事もあります。動物は親世代の遺伝子を子供に授ける事により、一種の生物を存続させます。

記憶に関しても、その動物に必要な情報は遺伝子に組み込まれ最低限の生活と自立のために使用されます。

(2)病歴も遺伝と関連している

また、病歴に関しても約5割の確率で子世代に遺伝していきます。記憶喪失の一種である認知症についても遺伝する可能性があります。

記憶するためには体内で合成されるタンパク質が脳内で作用する事で、人間は様々な経験を脳内に保存する働きのきっかけとなります。

このタンパク質は人により異なりますし、一概に遺伝的な要因があるとも言えませんが親戚に記憶力が低い人や認知症の人が存在するならば自身の事と捉えましょう。


5)記憶喪失のそれぞれの段階の症状

ここでは、初期・中期・末期段階に分けて記憶喪失の症状についてご紹介させていただきます。

(1) 初期段階

初期段階では、出来事を記憶する事が難しくなっていくためその日のうちにあった事が曖昧な記憶となり次第に消えていってしまいます。

また、1日に何度も同じ質問を家族などに投げかけるという認知症に見られる症状が出始めます。以下の症状が見られる方は、ご注意ください。

・最近、物を片付けた場所を覚えておらず、部屋中を探し回る事が多くなった。

・水道を締め忘れることが多くなり、家族に注意を受ける事が多くなった。

・鍋を火にかけていることを忘れて、空焚きをしてしまうことがある。

これらの症状のある方は、脳神経外科の受診をお勧めします。

また、記憶喪失を自身で疑う方や周りの人の意見により記憶喪失の疑いが見られる場合は、お近くの福祉センターにてカウンセラーの先生とお話をすることを第一にお考えください。

(2) 中期段階

中期段階では、物事の体験自体の記憶を失っていきます。

物を片付けたことを記憶から欠落していくため、認知症の方に多く見られる『物を盗まれたのではないか』という妄想が出てきてしまいます。

その事により、記憶喪失を起こしている本人が人間不信に陥る恐れがあります。

また、食事や入浴などの生活習慣を体験した事も記憶から欠落させていく可能性があるため、『食事はまだかな』や2度目の『風呂に入ってくる』などの台詞が出てきます。

周囲の人ができる事は、態度を極力変えず記憶喪失の本人に接する事と脳神経外科の先生を訪ねて対処法を教えてもらう事を念頭に置きましょう。

(3) 末期段階

末期段階では、物事の体験だけではなく過去に経験した記憶や、日常生活で必要になる『皿の洗い方』や『包丁の使い方』などの馴染んでいるはずの記憶が欠落していきます。

また、自身の事を認識できなくなり徘徊を始めたり暴走行為を行う事があります。

語彙が極端に減少し、指示語である『アレ・コレ・ソレ』などの言葉で物を指すようになるため意思疎通が難しくなっていきます。


6)記憶喪失で行う検査方法

(1)病院・福祉センター

ここでは、記憶喪失になった際の検査方法をご紹介させていただきます。記憶喪失を患った場合、早急に病院へ向かうか福祉センターのカウンセラーを訪ねます。

そこでは、本人が覚えている限界までの事を聞き取り調査します。例えば、『自身の1日前の行動』『自身の名前と生年月日』などが聞かれます。

重度であれば、記憶に混乱を起こし途中で逃げ出してしまうという危険があります。記憶喪失を起こしている本人へは、戸惑わないよう冷静に対処しましょう。

(2)カウンセリング

主に検査方法としては、先述した質問を投げかけるカウンセリングとなっております。

薬の処方を受ける事になる場合は、極力断る事をお勧めします。しっかりと病が原因とされた場合以外は、薬物療法を断りましょう。

Four doctors have a meeting


7) 記憶喪失へすべき治療法

(1)明確な治療法はない

記憶喪失の方への治療法というものには、はっきりとしたものがありません。

程度にもよりますが、無理に記憶を呼び起そうとすると本人の脳に多大なダメージを負わせる危険性もあります。

先述した通り、事故などが原因の記憶喪失では事故後の処置のみで記憶には触れない方が賢明となっております。

(2)自然療法

経過を見ながら人間としての生活を送れるように支援する『自然療法』が最適とされております。無理のない範囲で、記憶喪失以前の品などを見て記憶を復元する事もできま。

しかし患者本人がパニックを起こす可能性もありますので自然の風景を見て生活できるように支援し、周りの人も違和感なく優しい対応を行う事をお勧めします。


8)記憶喪失の方への家族の接し方のポイント

記憶喪失の方は大変敏感となっております。何より大切なのは、記憶喪失の家族が本人への接し方です。

(1)親であれば以前のような接し方より、優しく丁寧に接しましょう。

(2)子どもであれば冷たくあしらう事のないよう、温かく見守り時に優しく時に厳しい家族として迎えましょう。

(3)兄弟であれば、仲良き友人のように接しましょう。以前の記憶を引き合いに出さず新たな友人として迎える事をお勧めします。

(4)友人であれば、初めて会った時の接し方をしましょう。昔の事を簡単に話すのは良いですが思い出す事を無理強いしないようにしましょう。

デリケートな時期を過ぎて、新たな人格としての記憶が馴染んできたら普通の人として楽に接していきましょう。


9)記憶喪失を軽くしていくためにできる生活ポイント

ここでは、記憶喪失を軽くしていくための生活習慣を食習慣・睡眠習慣・運動習慣にわけてご紹介させていただきます。

(1) 食習慣

食習慣では、記憶力を回復させる効果のある栄養素を中心にご紹介させていただきます。

・アミノ酸

アミノ酸は、タンパク質の一種です。先述した通り、タンパク質は記憶するための働きを支援する栄養素となっております。

これは、記憶喪失を未然に防いで且つ記憶力を高める事にもつながります。アミノ酸を多く含む食品は以下のものがあります。

→鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳、アジ、鮭、鰹

上記の食材は、左から順に多く効果的なものとなっております。

・ビタミン類

ビタミンには、脳神経を活性化させる効果や身体の体調を整える効果を持っています。これは、脳の活動を活発化させ記憶力を高めるために働いてくれます。

ビタミンの中でも『ビタミンB1』となっており、これが多く含まれる食品は以下のようなものがあります。

→豚肉、米などの穀類、レバー、豆類

上記の食材は、日常でも多く取り入れるかと思いますのでバランスよく摂取しましょう。

(2) 睡眠習慣

睡眠習慣で大切なことは、1日7時間以上睡眠を摂ることです。記憶は睡眠中に定着します。

例として赤子の時には、夜にしっかり寝て昼間もお昼寝として睡眠を摂ります。

睡眠を摂ることで、起きてた時に得た栄養を糧に身体を成長させるとともに、起きてた時に学んだ出来事を復習して記憶に定着させ人間らしい行動を始めることができます。

成長するにつれ、睡眠時間も短縮できるようになりますがその日にあった出来事を記憶として定着させることはいつまでも行う事ですので、出来る限り睡眠を摂ることをお勧めします。

(3) 運動習慣

運動を行うと脳を活性化させる効果が得られます。

主に手を使った運動を行うことは、脳神経を活性化させることにつながり、尚且つ運動後の疲労が睡眠を誘うため、睡眠習慣での記憶喪失改善にもつながります。

具体例としては、ストレッチ用のボールを握って行う運動を1日に10セット4回ほど行うと良いでしょう。

また、朝の出勤時に一駅分歩くなどの小さなウォーキングを継続して行うこともお勧めします。有酸素運動が脳にも効果的ですので、ご自身に合った運動を継続的に行いましょう。


   


今回のまとめ

今回は、記憶喪失についてご紹介させていただきました。

1) 記憶喪失の違いとは

2) 記憶喪失・物忘れ・認知症の違いとは

3) 記憶喪失の原因とは

4) 記憶喪失のそれぞれの段階の症状

5) 記憶喪失のそれぞれの段階の症状

6) 記憶喪失で行う検査方法

7) 記憶喪失へすべき治療法

8) 記憶喪失の方への家族の接し方のポイント

9) 記憶喪失を軽くしていくためにできる生活ポイント