Tired worker rests her head on the desk

一般的にめまいがするとメニエール病ではないか。と考えてしまいがちですが、メニエール病にはしっかりとした原因や根拠が存在します。日本での発症率は10万人に15人程度といわれるメニエール病。

今回はそんなメニエール病の原因と予防法、そして検査方法をお伝えします。


   


メニエール病の5つの検査方法を紹介!めまい外来受診へ


1)メニエール病とはどんな病気?

身体の平衡感覚をつかさどる三半規管に異常があるとめまいを起こしますが、この代表的なものがメニエール病です。

急激な耳鳴りや難聴を伴い、めまい発作を繰り返す、内耳障害が原因で起こるめまいの病気です。日本での発症率は10万人に15人程度と言われています。

2)種類のも違いがあるの?メニエール病の4種類とは

(1)蝸牛(かぎゅう)型メニエール病

めまいの起こらないメニエール病のことです。低音域の聴覚障害を呈するような症状があり、その大部分は内リンパ水腫が原因と言われています。そのため症状が良くなっても再発を繰り返す状態になります。

(2)前庭型メニエール

蝸牛型メニエール病とは異なり、めまいの発作を繰り返す症状が特徴で、回転性のめまいが繰り返し起こるものです。

(3)両側性メニエール

反対側の耳にも同じ症状が出る状態です。

(4)レルモワイエ症候群

メニエール病の亜種の1つでもあるのがこれになります。レルモワイエ症候群の場合は難聴と耳鳴りが少しずつ始まり、難聴も進行していきます。

難聴の症状がピークに達すると、いきなり強いめまいの発作を起こし、発作から数時間後には耳の聞こえも回復するというような状況になります。

3)どんな症状が現れる?メニエール病の代表的な症状とは

(1)めまい(回転性めまい)

立ちくらみのようにグラッと揺れるめまいとは違い、体の1点を軸として、自分以外がグルグルと回転するように感じます。

目が回りとても立っていられる状態ではなくなります。症状は30分で治まる場合もあれば、数時間続くこともあります。

(2)耳鳴り

多くは発作の前にひどい耳鳴りを感じ、発作が治まると共に耳鳴りも治まていきます。何度も発作を繰り返していると、常に耳鳴りがするようになってしまいます。気圧にも関係していると言われています。

(3)難聴

難聴の出方には様々なケースがあり、発作と同時に出る難聴や発作が治まった後には何事もなかったかのようになる難聴、何度も何度も発作を繰り返し、聴力が落ちてしまう難聴があります。

特に低温が聞き取りにくくなります。その他、頭が重く感じたり、圧迫感のある頭痛を感じる場合や、吐き気、傾斜感、目振、閉寒感などの症状も起こる場合があります。

デスクでパソコンを確認している医者

4)何が原因なの?メニエール病の考えられる原因とは

(1)内リンパ水腫

メニエール病の原因は「内リンパ水腫」です。これは、内耳の内リンパ液が増え、水ぶくれになっている状態のことを言います。

(2)リンパ液が増える5つの代表原因

その根底には「ストレス」「睡眠不足」「疲労」「気圧の変化」「几帳面な性格」などが関係していると言われています。特に働き盛りの30歳~50歳台の男性に多い傾向のようです。 

(3)うち耳の水ぶくれによる影響

現在では、なぜ内耳の水ぶくれが起こるかはわかっていませんが、1つはっきりと言えることは、内耳が水ぶくれになり機能が低下していけば、身体のバランスがうまく取れなくなり「めまい」に繋がる。また、ひどい場合は「吐き気」を引き起こしたりします。

もちろん、水ぶくれになり圧迫されることにより「耳鳴り」が起こったり、「難聴」というような症状に繋がっていくのです。

5)どんな検査を行うのか?行われる可能性のある5つの検査方法

まずは、症状が出始めた段階での受診をお勧めします。脳神経外科、神経内科、内科、耳鼻科でもめまいを専門として診察しているところもありますが、メニエール病を疑うのであれば、めまい外来の受診をお勧めします。

(1)目振検査

発症していた場合、黒目が小刻みに震えるといった症状が現れます。頭を静止させたり動かしたりした際に黒目がどのような状態になっているかの検査です。

(2)平衡機能検査

目を閉じた状態で字を書き左右に文字が傾くかを調べたり、目を閉じたまま足踏みを行いバランス感覚を診ます。

平衡感覚では、片足立ちでの直立検査や、つま先とかかとをぴったり合わせた状態で立つマン検査を行います。メニエール病を発症していた場合は、検査をした際に、ふらつき直立した状態が保てません。

(3)グリセロール検査

これは難聴に対し行われるもので、確定診断の1つとして「グリセロールテスト」とし、グリセロールを内服した後で、聴力の改善があるかの検査をします。

これは、グリセロールという薬を点滴で体内に取り込むことで聴力が改善することがわかっているため、行われる検査になっています。

(4)聴力検査

これは一般的な検査と同様の検査を行います。メニエール病の初期症状として低音が聞き取り辛くなることからメニエール病に特徴的な難聴があるかの検査になります。

(5)立ち直り検査

これは反射の検査で、身体の傾きを正しい位置に修正できるかを診るために行います。両足での直立検査、片足での直立検査、マン検査を行います。

それぞれ、開眼時と閉眼時と行い、内耳が悪いと閉眼時にふらつきを起こします。脳に原因がある場合には、開眼時も閉眼時もふらつきがみられます。

6)メニエール病の主な治療方法とは?

(1)薬物治療

最も一般的な治療法を言われています。発症から日が浅く、症状が軽度~中程度の方に向いている治療法です。

発作時:抗ヒスタミン剤・吐き気止め・鎮痛剤

発作予防:利尿剤・内耳循環改善剤・自律神経調整剤

メリット:薬の携帯で安心感が得られる・費用の負担が比較的少ない・副作用が少ない・他治療法との併用可能

デメリット:対処療法のため目覚ましい回復や完治は難しい・継続的な通院と経過観察が必要・高齢者へは不適

費用:初診料約1000円~・薬代1万円~(約1か月)・その他診察費・検査費など

(2)手術

長期間に渡り頻繁に発作を繰り返す症状が重度の方に対する治療法です。薬物治療など、ほかの治療で改善がみられなかった方に対し行われます。対象者は患者数に対し1割未満となり、全身麻酔で行う内リンパ嚢開放や前庭神経切除が代表的になっています。

メリット:根本的な治療が可能・めまい改善効果が高い・術後の効果が早い

デメリット:費用が高い・難聴改善は見込めにくい・顔面麻痺などのリスクがある

費用:内リンパ嚢開放術6万4500円(3割負担の場合)~・その他、初診料・検査料・診察費・入院費など

その他にも「漢方治療」「鍼灸治療」「バイオプレート治療(特殊なマウスピースを装着)」などもありますが、これらも発症から日が浅く、症状が軽度~中程度の方に用いられる治療法となっています。

group of happy doctors meeting at hospital office

7)大切な治療後!治療後の予後とは?

メニエール病は適切な対処・治療を行うことで比較的予後は良く、命に関わることはまずありません。ただし10~15%ほどの症例で症状の長期化や発作の再発が見られることもあります。

一度良くなったからと治療を怠ってしまうと、症状のなかった方の耳にも難聴や耳鳴りといった症状が現れたりと両側性メニエール病になってしまう恐れもあるので、しっかりと医師の指示に従い治療や予後を過ごすことが大切となります。

8)本人と家族が大切にしたい心構えとは?

(1)本人

簡単に治らないものだと覚悟を決め、発作を起こしてもパニックを起こさず自分なりに楽な姿勢で休むことが大切になります。

また、発作を起こす時の恐怖感でストレスを感じ悪循環になってしまわないよう、発作が起きても『時間が経てば治まる!大丈夫!』と思うことも大切になります。

(2)家族

メニエール病の発作の辛さは他人には理解してもらえないことがほとんどです。これはメニエール病がどんな病気か理解されていないからです。

まずは、ご家族の方もメニエール病とはどんな病気なのかを理解し、そのうえで「見守ってあげる」「寄り添ってあげる」気持ちを一番にすることをことをお勧めします。

一言で見守る・寄り添うと言ってもピンと来ない方も多いと思います。なので、今まで通りの接し方を変えず生活を共にしてください。

そしてたまに「大丈夫?」と声を掛けたり、辛い時には、ただ側にいてあげてください。家族が一緒にいる安心感が発作の軽減や、ストレス軽減に繋がることもあるようです。

9)生活習慣から改善を!予防していくための生活習慣のポイント

(1)食生活の改善

塩分の多い食事は、高血圧を引き起こしやすく、喉の渇き水分を過剰に摂取してまう恐れがあるため良くありません。

忙しさの合間にリットル単位で水分をがぶ飲みしたり、喉の渇きを感じてから飲むなどの過剰な制限をされている方は注意が必要です。食事療法を検討するなら、生姜やニラ、火を通した大根なども良いようです。

(2)タバコ

タバコに含まれるニコチンは血液の循環を悪化させるため、めまいを引き起こしやすくなります。禁煙をされたり、本数を減らすなどの対策が必要となります。

(3)お酒

お酒は心身をリラックスさせる効果や利尿作用が含まれるため、適度に摂取するなら効果的な場合もあるようです。ただ、泥酔するまで飲んだり、毎日飲まないと気が済まない状態の方は注意が必要です。

(4)ストレスと睡眠

睡眠不足が慢性化すると健康な方でも体調不良に陥りやすくなります。不眠の原因は人それぞれですが、やはり1番多いのは仕事に追われ睡眠時間が奪われしまい、知らずしらずのうちにストレスが溜まってしまう事です。

自分と向き合う時間を作りストレスを軽減させる方法を見つけていくことをお勧めします。また、適度に運動することも症状の改善や、ストレスの軽減に繋がると言えます。


   


今回のまとめ

1)メニエール病とはどんな病気?

2)種類のも違いがあるの?メニエール病の4種類とは

3)どんな症状が現れる?メニエール病の代表的な症状とは

4)何が原因なの?メニエール病の考えられる原因とは

5)どんな検査を行うのか?行われる可能性のある5つの検査方法

6)メニエール病の主な治療方法とは?

7)大切な治療後!治療後の予後とは?

8)本人と家族が大切にしたい心構えとは?

9)生活習慣から改善を!予防していくための生活習慣のポイント