患者と話す中年男性の医師

頭痛がなぜか右側にだけ起こる、ということは経験したことのある方もきっといることだと思います。右側だけとなると、何か病気かなと不安になりますよね。そこで今回は右側に起こる頭痛について解説し、その対処法もご紹介します。


   


右側の頭痛はなぜ起こる?5種類の頭痛と対処方法とは


1)部位によって頭痛は違う?頭の4つの部位とは

そもそも頭は主に4つの部位に分けられます。

(1)前頭部

おでことその少し上の部位を指す「前頭部」

(2)側頭部

耳周辺やこめかみを含む頭の横の部位である「側頭部」

(3)後頭部

後ろの部位である「後頭部」

(4)頭頂部

てっぺん周辺を指す「頭頂部」

この4つです。 右側だけ特別に痛い、すなわち側頭部にあたる部位に痛みがある場合ですが、 そんな時は右側にだけ存在する「何か」が悪さをしているのでは、と思ってし まいますよね。ですが頭痛の場合「右側に○○があるから」という理由だけで 特別に起こることはほぼありません。頭の側頭部だけに症状の出るものが、たまたま右側に起こる、という可能性はあります。右でも左でも、側頭部だけの 痛みは起こり得るということです。

2)なぜ右側だけに痛みが出るの?考えられる5種類の頭痛とは

では片側の側頭部のみに頭痛が起こる可能性のある病気を一つずつ見ていきましょう。

(1)片頭痛

読んで字のごとく片側に起こる頭痛ですが、そのうち 4 割は両側に起こること もあり、必ずしも片側のみとは言えません。痛みは脈打つように出ることもあ ればそうでないこともあり、4〜72 時間持続します。時々吐き気を催すこともあり、光や音に過敏になります。原因はストレス、睡眠不足、過労、月経による ホルモンバランスの乱れ(女性のみ)、気温差、人混み、アルコールなどです。

(2)群発頭痛

20~40 歳代の男性に多く発症する、片方のこめかみから目の周りが強く痛む頭痛です。時間は 30 分から 1 時間ほどですが、耐え難い痛みでじっとしていられ ないのが特徴です。

(3)顎関節症

顎の関節や筋肉に異常があると、片側、もしくは両側のこめかみ周辺に痛みが 生じます。原因は噛み合わせや筋肉の左右バランス、心理的なものがあります。他にも咀嚼時の筋肉の痛みや、関節のクリック音、開口障害で口が大きく開か ない、といったことが起こります。

(4)側頭動脈炎

側頭動脈炎は 55 歳以上に起こるとされている病気で、側頭部や首の血管の炎症が起こります。原因は現在も不明ですが、症状では側頭部及び後頭部の痛みや全身での発熱、疲労・倦怠感、体重減少や発汗があり、専門機関での早期治療 が必要です。

(5)筋緊張性

こちらはハッキリとした病名が付いているわけではありませんが、頭痛が起こるメカニズムに首や肩周囲の筋肉の緊張が関係していると考えられています。特に胸鎖乳突筋や僧帽筋といった首を支えたり動かすことに関与する筋肉の緊張はそのまま脳の血行不良も引き起こし、頭痛につながると考えられています。筋緊張は筋疲労や身体活動、姿勢不良から来ることもあれば、ストレスで日常的に身体に力が入っていることから来ることもあります。

検査結果をパソコンで伝える女性医師

3)自分でできることは?頭痛への対処方法

ここまで、右側に起こった頭痛についてお伝えしてきましたが、それでは対処法を一つずつご説明していきます。

(1)片頭痛の場合

痛みそのものは医療機関によって処方してもらえる薬によって改善します。ですが根本的なところは生活習慣が原因に潜んでいることがほとんどですので、 そちらの改善も必要です。先ほども挙げましたが、ストレスや睡眠不足などは、 日々の運動習慣で改善することができます。そもそもストレスが睡眠不足と密接に関連しており、睡眠時間が少ないと日常の出来事に対してストレスに感じることが増えるようになります。また、日常的にストレスを感じている人は、さらに睡眠の質が低下し、何時間寝ても寝た気がしなくなります。これは悪循環ですよね。

そして運動不足もストレスを助長することになります。定期的に運動する人はそうでない人と比較して物事をポジティブに捉えることができ、ストレス耐性があるので、結果ストレスを感じることなく、質の良い睡眠をとることができます。薬によって痛みを抑えながら、少しずつ生活習慣を改善させていくことが重要です。

(2)群発頭痛の場合

こちらは片頭痛と比較して発症する人の数は少ないのですが、その原因はいまだハッキリしていません。先ほど挙げた特徴に当てはまるようでしたら医療機関を受診して、発作を抑える薬を処方してもらうのが現状ではベストの対処法です。

(3)顎関節症の場合

顎関節症は顎の関節の歪み、歯の噛み合わせやストレスで起こるとされています。歪みや噛み合わせの悪さは、主に食習慣で柔らかいものを中心に食べていたり、左右どちらかの歯で食べ物を噛むクセなどでバランスが崩れてしまうことで起こります。ですので、なるべく固いものも食生活に組み込み、左右バランス良く噛むようにしましょう。また、ストレスによって自然と顎に力が入っていたり、寝ている間の歯ぎしりも顎関節症の原因になるため、ストレスをなるべく減らす対処も必要です。片頭痛の項で挙げた運動習慣はここでも効果的です。

(4)側頭動脈炎の場合

側頭動脈炎は脳内の血管の異常ですので、早期に専門機関にかかり、を処方してもらうことが必要です。一般に55歳未満では発症しないとされていますので、年齢を考慮に入れつつ、頭痛と体調の異変が重なったら、医療機関へ向か いましょう。

(5)筋緊張性の場合

首や肩の筋の緊張が頭痛を引き起こす例ですが、こちらは筋をリラックスさせることで改善が期待できます。この頭痛を持つ人は姿勢不良によって首や肩に異常な負担がかかっていることがほとんどです。俗にいうスマホネックというのはこの典型で、スマートフォンを見ている時に首が前に屈んだ状態を長時間保ちますと、首の筋肉が緊張してしまいます。他にも仕事でパソコンを見ている時に、自然と多くの人が猫背や肩が上がっていたり、前に出ていたりして、筋肉の緊張がすすむ姿勢を取っています。

これらの姿勢の習慣を見直すことで、首や肩周りの筋肉の緊張は少しずつ取れてきます。


   


今回のまとめ

1)右側に起こる頭痛は、ある病気特有の症状ではなく、片側に起こる可能性の ある病気がたまたま右側に表れたもの。

2)片側に起こる可能性のある病気は、片頭痛、群発頭痛、顎関節症、側頭動脈 炎、筋緊張性頭痛である。

3)対処法としては、痛みには医療機関での処方箋が効果的である。

4)片頭痛や顎関節症、筋緊張性頭痛は運動習慣や姿勢に気を付けることで改善
することができる。