耳を検査しているドクター

耳はとても繊細な器官です。普段あまり触る部位ではありませんが、何らかの原因で傷がつくと、そこから感染して重大な症状を引き起こす可能性もあります。ここでは、耳の入り口が痛い場合に考えられる病気とその原因などについて解説していきます。


   


耳の入り口が痛いのはなぜ?病気の可能性と3大原因とは


1)どんな症状が現れる?耳の入り口が痛む場合の3つの種類と特徴の違い

(1)触ると痛む

何もしていなくても痛みがありますが、耳を引っ張ったり折り曲げたりすると特に痛みます。

(2)耳に違和感を生じる

耳の中に物が詰まった感覚があります。外部の音が少し聞き取りにくくなった状態です。

(3)炎症を起こす

耳の中が発熱、発赤します。痛みの他に、日常生活が手につかないほどかゆみが気になる場合もあります。

2)痛むのはなぜ?耳の入り口が痛くなる3大原因とは

(1)耳の中に傷がついたため

耳かきのやりすぎなどで耳がダメージを受け、そこから細菌に感染することによって痛みが起こります。

(2)ウイルスへの感染

細菌と同様、ウイルスも主に傷口から感染し、耳の痛みを引き起こします。

(3)耳垢が詰まっている

耳の中で耳垢が詰まり、固まっているために、耳の痛みや難聴が起こっている状態です。

3)試せる応急処置はあるの?痛みへの対処方法とは

(1)市販薬を試す

市販のステロイドと抗生物質入りの軟膏を綿棒で炎症した患部に塗ると、状態が良くなることもあります。

(2)耳に水が入らないようにする

プールに入ると、その水が耳に入って細菌に感染する可能性があるので控えるようにします。入浴は手短にするかシャワーのみにしましょう。

(3)耳かきはしない

耳の中が余計に傷つくのを防ぎます。また、耳垢は抗菌作用も持っているので、ある程度耳垢があった方が耳の保護に繋がります。

カルテを確認している医者と患者

4)これって病気・・?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

(1)耳だれが出てくる

耳の穴から体液が出てきます。大抵の場合、粘り気がある膿のような状態の液体です。

(2)リンパ腺が腫れ上がる

耳の入り口の痛みの他に、耳の前後にあるリンパ腺が腫れます。ひどくなると鶏の卵ほどの大きさになり、強い痛みを伴います。

(3)耳が聞こえにくくなる

耳が腫れてくるなどで耳の穴が狭くなることで、外界の音が聞き取りにくくなります。

5)症状が続く場合は注意・・考えられる3種類の病気とは

(1)外耳炎

外耳とは耳の入り口から鼓膜までを指します。その外耳が炎症を起こすことを外耳炎と言います。主に傷口からの細菌感染が原因として挙げられますが、カビ類の菌が原因の真菌性の場合もあります。外耳炎では高熱を伴うことはほとんどありません。しかし、耳を引っ張ると強い痛みを感じます。炎症が軽く、外耳道が弱っていなければ、数日で自然に治る場合が大半です。

(2)耳性帯状疱疹(じせいたいじょうほうしん)

耳性帯状疱疹はラムゼイハント症候群とも呼ばれます。過去に水痘にかかった際に水痘・帯状疱疹ウイルスが潜伏し、その後、免疫力が弱った時などに再活性化することで発症します。つまり耳性帯状疱疹はウイルスが原因で起こります。症状としては、耳の激しい痛みが起こった後に水ぶくれができます。他には周囲の音が聞き取りにくくなり、加えて顔面神経が麻痺を起こします。

(3)耳垢栓塞

耳垢栓塞とは、耳垢が溜まりすぎて耳の穴に栓をした状態になっていることを指します。主な症状として、外界の音が聞こえにくくなります。他にもプールなどで水に浸かった際、耳に水が入って溜まっている耳垢が膨張し、耳を圧迫して痛みを生じます。耳垢栓塞は外耳道炎とも関係していて、耳垢に含まれる菌が外耳道の傷から感染して外耳道炎になる可能性もあります。

Stethoscope in hands

6)治まらない場合は専門家へ!耳の痛みへ3つの検査・治療方法

耳の異常を感じたら早めに耳鼻科に行き、専門家に診てもらいましょう。

(1)外耳炎

耳介の下側が腫れているか、耳だれは出ているか、触ると痛むかどうかを視診、触診します。また、X線検査、聴力検査で異常を確認することもあります。治療には塗り薬、内服薬を用います。一般的に、抗生剤の点耳薬、または抗生剤・副腎皮質ステロイド軟膏を塗布します。炎症がひどい場合には抗生剤の内服を行います。およそ1週間で完治します。

異常は細菌性の外耳炎の治療法ですが、真菌性の外耳炎の場合はステロイド軟膏を使用すると症状が悪化してしまうので、通院して耳の消毒、洗浄を継続する必要があります。そして抗真菌薬の塗布、症状がひどい時は抗真菌薬の内服を行います。細菌性の外耳炎に比べると治療には時間がかかり、完治には約1週間~数ヶ月要します。治療費はおよそ3千円以内に収まります。

(2)耳性帯状疱疹

耳性帯状疱疹の検査では、まず、まぶたが閉じられない、よだれが出るなどの顔面神経麻痺の症状がないかを視診します。合わせて耳の聞こえ具合を調べる聴力検査を行います。帯状疱疹がない場合はさらに血液検査でウイルスの増殖を検査します。治療にはアシクロビル抗ウイルス薬を注射し、炎症を抑える副腎皮質ステロイド薬を用います。また、痛みを和らげるために消炎鎮痛薬が使用されます。抗ウイルス薬は水疱ができてから72時間以内に処方するのが望ましいとされています。

(3)耳垢栓塞

基本的に耳垢を取り除くと改善するのですが、無理に剥がそうとすると鼓膜や外耳道を傷つける恐れがあるので、必ず専門家に処置してもらいましょう。耳垢栓塞は視診によって耳の中の状態を調べた後に、耳垢を吸引、ピンセット、異物鈎、耳用鉗子などで除去していきます。耳垢が固まっている場合は重曹とグリセリン水の合成した薬剤を数日間点耳し、軟らかくしてから取り出します。治療費は3割負担で片耳300円、両耳450円程度かかります。

7)生活習慣を改善しよう!耳の入り口の痛みへの予防習慣

(1)耳かきはほどほどにする

耳かきを頻繁にやると外耳道に傷がつくので、2週間に一度の頻度が望ましいでしょう。また、耳垢は耳の入り口に溜まります。なので、あまり深く耳かき棒などを入れないように気をつけます。

(2)免疫力を高める

耳性帯状疱疹は免疫力が低下した時にウイルスが活性化することによって起こります。なので、バランスの良い食事、ジョギング、水泳などの適度な運動、睡眠時間の確保を行うことで予防になります。


   


今回のまとめ

1)どんな症状が現れる?耳の入り口が痛む場合の3つの種類と特徴の違い

2)痛むのはなぜ?耳の入り口が痛くなる3大原因とは

3)試せる応急処置はあるの?痛みへの対処方法

4)これって病気・・?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

5)症状が続く場合は注意・・考えられる3種類の病気とは

6)治まらない場合は専門家へ!耳の痛みへ検査・治療方法

7)生活習慣を改善しよう!耳の入り口の痛みへの予防習慣