女性の首を施術する整体師

現在、交通事故によるむちうちの患者数は全国で 20万人~30万人といわれています。むちうちは「頭痛」や「頸部痛」を引き起こし、場合によっては後遺症が残ってしまいます。今回は、むちうちの症状や頭痛との関係、対処法などについてご紹介します。


   


むちうちと頭痛の関係とは?気になる7大症状と対処法とは


1)そもそもむちうちとは?

 (1)何をむちうちと呼ぶか

交通事故などが原因でよく耳にするむちうち。そもそもこのむちうちとはどういうものでしょうか。実はむちうちとは正式な傷病名ではなく、一般的には「外傷性頸部症候群」あるいは「頸椎捻挫」と呼ばれます。大きな衝撃を受けた後、X線上骨折や脱臼が明らかでなく、原因不明 の頭痛や肩こり、めまい、耳鳴り、手足のしびれといった「不定愁訴」の症状をまとめて、 むちうちと呼んでいます。 

 (2)むちうちになるメカニズム 

むちうちになるメカニズムを簡単に説明しますと、「頸椎が鞭を振るったときのようにS字型に動く」ことで痛めてしまうものです。人間の頭部は意外に重く、体重の約 10 分の1の 重さがあるといわれています。大人だと5kg~7kgくらいの頭部を首で支えていることに なるわけです。不意に後ろから追突された場合、体だけが前方に押し出され、頭部は体とは 逆の方向に動くことになります。 むちうちになる原因は、飛び込みなどの偶発的な事故にもよりますが、交通事故によるものがその主要因といえ、衝撃で頸椎、椎間板、関節包、頸部の筋肉等を損傷して起こります。 

2)要チェック!むちうちの3大症状とは

むちうちは、事故などに遭った直後から、あるいは当日はほとんど症状が現れず、翌日または数日経過してからさまざまな症状が出現することがあります。

(1)頭痛

(2)頸部痛

(3)頸椎の運動障害

この3つが3大症状といわれていますが、これらの症状に関連してさらに、 肩こりやめまい、耳鳴り、食欲不振や消化不良、手足のしびれなどが引き起こされる場合があります。自律神経系の症状や、首、背中の違和感などは受傷後周期的に現れ、その症状は 数年から数十年に及ぶこともあります。また、頸部損傷によって、めまいや目のかすみ、耳鳴り、動悸、声のかすれ、全身の倦怠感などの症状が認められる場合は、いわゆる「バレー・ルー症候群」であることも想定されます。自律神経が直接的・間接的に刺激を受けて発症すると考えられています。 

3)何が関係している?むちうちと頭痛の関係 

 (1)頭痛はむちうちの典型的な症状 

むちうちの症状の一つである「頭痛」は、まさに典型的な症状といえます。しかし一方で、 この頭痛という症状は案外見逃されやすいものでもあるのです。受傷後直ちに頭痛が出れば、その原因は事故によるものだと断定できますが、症状は後日現れることも少なくありません。例えばもともと頭痛が頻繁に起こるような人はなかなかその原因をむちうちに特定 することは困難と考えられます。あるいは風邪などと考える人も多いかも知れません。 むちうちが原因である場合の頭痛は、放置しているとその後遺症で数十年も悩まされるこ とになりかねません。 

 (2)むちうちによる頭痛の7つの症状 

 一概にむちうちによる頭痛といっても頭部の場所や症状にさまざまなパターンがあります。 

 ・こめかみが痛い 

 ・おでこ(眉間)のあたりが痛い 

 ・首の後ろあたりが痛い 

 ・後頭部が痛い など 

このほか、吐き気などとともに頭痛を訴える人もいるようです。 さらに、直接的な痛みではないものの、不快感を覚えることもあるようです。

・頭が重く感じる

・疲れたときに少し痛む

・雨や曇天などの気候や気圧の変化によって頭に違和感がある

これらの症状も強い痛みを伴わないだけに見逃されがちですが、明確なむちうちの症状と考えられます。むちうちによる頭痛は明らかに日常生活に支障を来します。少しでも異変を感じたら、早急に医療機関を受診されることをおすすめします。

Woman with migraine in doctor's office

4)どんな処置ができる?3種類の段階的な対処方法

 (1)緊急的な対処 

事故などによって重度と考えられる受傷であった場合、手足が動かせない、あるいは手が痺れる、首が痛くて動かせない、触れた感じが鈍い、などといった症状が認められます。その場合は「受傷者を動かさず安静に」して、とにかくすぐに救急車を手配することが最も急がれる対処です。また、軽度と考えられる場合であっても極力安静にして医療機関を受診することは必須です。損傷の程度によって当然治療法は変わりますが、頸椎カラーなどの装着が一般的です。 

 (2)患部を冷やす

受傷後の対処として最も大切なことは「安静にすること」ですが、その後は患部を「冷やす」ことが重要になります。頸部などが損傷を受けると患部は炎症を起こして熱を持ちます。したがって、その炎症を抑えるために患部をいち早く冷やす必要があるのです。但し、その場合シップではなく、氷や保冷剤を使うようにして下さい。シップ薬には炎症を抑える成分は 入っていますが、患部を冷やしているわけではありません。 

 (3)一定の時間経過後の対処 

状況によって差はありますが、受傷後3週間程度経過すると当初の痛みは落ち着いてくるといわれています。この時期になると、残存する痛みの緩和、運動制限によって硬化した周囲の筋肉の緊張を除去する対処が必要となります。医師の指示に従って、首や肩を中心に適 切なストレッチなど行います。これによって疼痛の軽減のほか、自律神経障害を予防する効 果も見込まれています。受傷したのは頸部であったとしても衝撃は体全体であり、また、受傷後患部を無意識に庇ってしまうことで患部以外の筋肉や靱帯などに大きな負担がかかっていることも考えられます。その関係で骨格そのものに歪みが生じるケースもあるので、全身のバランスを見ながら対処していくことが重要です。 

5)日常生活から改善を!むちうちへの予防方法とは? 

 (1)自動車の安全性 

常識的に考えて、突発的に起こる交通事故などによるむちうちを防ぐことは困難といえます。ただ、その事故の被害を最小限に抑えるために、自動車の安全性について予め考慮しておくことは予防につながります。 例えば、背もたれとヘッドレストは一体的な構造のものがベストです。ヘッドレストは事故の際、高さ調節可能なタイプが頸部損傷の危険性の減少率が15%程度であるのに対して、 一体型のタイプは25%減少することが明らかとなっています。

また、シートベルトの腰部部分は、腹部ではなく骨盤のうえにしっかりと装着し、肩の部分の高さが調節可能であれば、肩と首の中ほどにベルトを持ってくるようにします。シートベルトが緩いとベルトで押さえられる前に体が加速し、怪我の危険性が増してしまいます。 このほか、シートバック自体が衝突時に後ろに倒れて衝撃を緩和するといったタイプもあり、こういった安全性の高い自動車を選ぶことも効果的な予防法の一つと考えられます。 

(2)後遺症予防 

繰り返しとなりますが、交通事故などは突発的なものであるため、それ自体を未然に防ぐことは困難です。したがって、受傷した場合は「後遺症を予防する」という考え方が重要になります。そもそもむちうちは後遺症になりやすく、長期的に日常生活を脅かされることになってしまいます。

適切な治療を行えば一般的に症状は2~3カ月で完治することが多いのですが、 症状が固定され、後遺症治療が必要となった場合には負担は長期にわたります。頭痛やめまい、倦怠感等の神経系、ならびに首や肩、腕のしびれなどの身体的なダメージが長く続いてしまうわけです。 最大の予防策は「迅速な治療」です。治療の遅れこそがこの後遺症につながるため、たと軽度の受傷であってもしっかりと治療を受けることが最も大切なことなのです。 


   


今回のまとめ 

1)むちうちになる主要因は交通事故によるものが多く、その衝撃で頸椎、椎間板、関節包、 頸部の筋肉等を損傷して起こる。 

2)「頭痛」「頸部痛」「頸椎の運動障害」がむちうちの3大症状であるが、これに関連して、肩こりやめまい、耳鳴り、食欲不振、消化不良、手足のしびれなどが起こる。 

3)特に「頭痛」はむちうちの典型的な症状であるが、見逃されやすいものでもあるため、異変を感じたら早急に医療機関を受診する。 

4)受傷後、段階的な対処法として「安静にする」「患部を冷やす」「経過を見ながら徐々にストレッチなどを行う」ことが必要である。 

5)むちうちの予防は難しいが、自動車の安全性などに考慮し、受傷後は適切な治療を受けて後遺症予防に努めることが大切である。