アロマ

ソースの焦げる匂いが部活の思い出とか、ワインの香りが恋の思い出など、匂いに懐かしさを感じる人はいませんか。この「匂い」が認知症の症状の改善に役立つことが分かってきました。

今回は、認知症予防に効果的なアロマと使い方のポイントをお伝えします。


   


認知症に効果的な4つのアロマ!3つの使い方とは


1)認知症の3つの種類とは

認知症にはいろいろな種類がありますが、ここでは3つの主な認知症について説明します。

(1)アルツハイマー型認知症

原因:脳細胞の中にアミロイドβ蛋白などが蓄積して、脳の細胞が変性していく

症状:記憶障害(新しいことを覚えることができない・昔のことは覚えている)

   見当識障害(時間や場所がわからなくなる)

   遂行機能障害(物事を計画して遂行することが困難になる)

(2)脳血管性認知症

原因:脳梗塞や脳出血により、脳の細胞が障害されて起こる

症状:手足のマヒが起こる場合がある

   記憶障害(いわゆるまだらボケ・その日の体調に左右される)

   失語症(メガネを鉛筆と言うなど、正しい言葉を言えない)

   失認(出来事などを正しく認識できない)

(3)レビー小体型認知症

原因:脳全体にレビー小体ができて脳の機能が障害される

症状:初期より幻覚や幻視が現れる

   注意力障害

   レム睡眠行動障害(寝入りばなに大声を出したり大声で寝言を言ったりする)

   病状が悪化している時と安定しているときの差が激しい

   歩行障害を伴うことが多い


2)認知症の6つの症状チェックポイント

(1)意欲がなくなる

好きなテレビ番組を見なくなる、趣味をしなくなる、外出しなくなるなどです。

(2)よく知っている人の名前が出てこない

仕事仲間や近所の人など、よく知っている人の名前が出てこないなどです。

(3)通い慣れた道で迷う

いつも使う駅やいつも行く店にたどりつけずに迷ってしまうなどです。

(4)同じ品物をいくつも買う

冷蔵庫の中に同じ品物がたくさんある、シャンプーなど同じものがたくさんあるのにまた買ってしまうなどです。

(5)料理の味が変わる・料理が出来なくなる

普段から料理をしていたのに味付けがおかしくなる、料理が出来なくなるなどです。

(6)人柄が変わる

穏やかな人が怒りっぽくなったり、興奮しやすくなったりするなどです。


3)アロマが認知症に有効な理由

代表的な認知症であるアルツハイマー型認知症は、脳の記憶をつかさどる「海馬」という部分が委縮する(小さくなる)病気です。

海馬というのは脳の中心近くにあり、進化の過程で見ると古い脳の部分に含まれます。一方、匂いを感じ取る「嗅神経」は大脳の中心部に伸びていて、海馬の近くに達しています。

このことから、匂いと記憶には関係があることは以前から分かっていました。特に認知症との関連を調べたのが、鳥取大学の浦上克哉教授です。

浦上先生は認知症とアロマセラピーについての研究をしていて、2005年には認知症とアロマセラピーの研究結果を発表しています。

それによると、認知症の中でもアルツハイマー型認知症の記憶障害について、改善がみられたという結果が得られたとあります。


4)認知症の予防に効果的な4つのアロマ

(1)認知症の記憶障害に効果があるとされたアロマ

浦上先生の研究で示されたのは、ローズマリーカンファー、レモン、ラベンダー、オレンジスイートの4つです。

  ・午前中の2時間以上使う:ローズマリーカンファー2滴、レモン1滴

  ・寝る前の1時間前から2時間以上使う:ラベンダー2滴、オレンジスイート1滴

  ・生活リズムを整えるためにも、昼だけ、夜だけでなく、午前と寝る前の両方使う

(2)アロマを使用するときの注意

  ・原液を直接肌につけない

  ・目に入らないように注意

  ・アレルギー反応を示す人もいるので気分が悪くなったら中止する

  ・乳幼児・子供・妊婦や高血圧・てんかんなどの持病がある人には注意して使う

ベッドの上に置かれたホットティー


5)アロマの成分にある効き目の3つの違い

(1)仕事中など昼間に使うとよいアロマ

  ・ローズマリーカンファー:集中力を高める、血圧を上げる作用もあるので注意する

  ・レモン:気分の高揚・リフレッシュ、殺菌効果もある

  ・ペパーミント:気分をスッキリさせる、血管の収れん(引き締め)

(2)寝る前やイライラした時に使うとよいアロマ

  ・真正ラベンダー:鎮静・安眠効果

  ・オレンジスイート:リフレッシュ・リラックス効果、空気の清浄にも役立つ

  ・カモミールローマン:鎮静効果、香りが強いので少量を使う

(3)アロマを購入するときの注意

アロマオイルといっても、いろいろな品質のものがあります。効果があるとされるのは植物から精製したものだけで、化学合成したものには効果がありません。

学名や抽出部分(花や葉など)が書かれたものを選びましょう。


6)アロマ以外の認知症予防の5つのポイント

認知症の予防と言ってもさほど特殊なことではなく、生活習慣病の予防に知的刺激をプラスしたようなものです。

(1)適度な運動

通勤の時に1駅手前で降りて歩くとか、なるべく階段を使うとかでもよいのです。特別な運動ではなく、とにかく歩くが基本です。

(2)バランスのとれた食事

腹八分で野菜や果物をたくさん食べましょう。高齢になっても、肉や魚といったたんぱく質は充分に摂る必要があります。

(3)活動と休養のバランスをとる

ストレスを溜め過ぎないようにしましょう。ウオーキングなどの軽い運動もストレス発散になります。充分な睡眠をとりましょう。

(4)知的刺激

大人の計算ドリルなどもよいですが、自分で旅行計画を立てる、楽器の演奏をするということでも、充分な脳への刺激になります。

面倒と感じても、少し努力してやり遂げる位の事のほうが、脳への刺激になり脳の血行が良くなるでしょう。

(5)人や社会との交流

1人でコツコツ勉強するよりも、いろいろな人と交流を持つほうが、脳への刺激になります。


   


今回のまとめ

1)認知症の主な種類は、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症です。

2)認知症の症状チェックポイントは、意欲がなくなる・名前が出てこない・道で迷う・料理が出来なくなる・人柄が変わるなどです。

3)アロマが認知症に有効な理由は、記憶をつかさどる海馬が嗅神経と近く刺激を受けやすいためです。

4)認知症の予防に効果的な4つのアロマは、ローズマリーカンファー、レモン、ラベンダー、オレンジスイートです。

5)アロマの成分にある効き目の違いは、気分の高揚や鎮静などで、植物由来のものが効果があります。

6)アロマ以外の認知症予防のポイントは、生活習慣病の予防と知的刺激を行うことです。

以上が今回の記事のまとめとなります。今回の記事で認知症の不安のある方、軽度認知症と診断された方のお役に立てれば幸いです。