Male nurse caring about patient

2014年現在、厚生労働省の調査では認知症とされる人は462万人にのぼります。認知症の中にはいくつか種類があります。

今回は認知症の種類と、それぞれの原因症状の違いをご紹介していきます。


   


4つの代表的な認知症の種類!症状の違いとは


1)認知症とはどんな病気か

(1)日常生活が困難に

認知症とは、記憶や判断力が弱まる脳の病気の総称です。原因はさまざまですが、それまでできていた仕事や家事ができなくなり、人柄や人付き合いにも変化が現れ、日常生活が困難になります。

(2)患者さんご本人は自覚がなかなかし辛い

患者自身は、自分の周囲で起きていることが、はっきりわからず濃い霧の中に置き去りにされているような感覚だといわれています。

体験してみないと患者の気持ちを理解することはできませんが、「病気であること」を理解し、患者に接するさいには否定をせずに穏やかに接することを心がけましょう。


2)代表的な4つの認知症の種類とは

(1)アルツハイマー型認知症

【原因】

原因は不明とされていますが、脳内にアミロイドベータというタンパク質がたまり、海馬の神経細胞が変性してやがて死んでしまいます。

そのため脳の働きが悪くなるという説が有力といわれています。他には、親兄弟にアルツハイマー型認知症の人がいると、遺伝的体質から発症するリスクが高いこと、頭に衝撃を受けることが多いボクサーや頭部外傷を負ったことがある人は、アルツハイマー型認知症のリスクになることがわかっています。

【特徴】

認知症の中でアルツハイマー型認知症は50%を占めています。

アルツハイマー型認知症を発症すると最終的には身体活動も低下してくるため、余命が5年から10年であるということがわかってきています。

また、18歳~64歳で発症する若年性アルツハイマー型認知症もあります。

【症状】

まず脳の海馬が侵され「もの忘れ」が現れます。もの忘れによる失敗を隠そうとして、引きこもりがちになったり、「もの盗られ幻想」をおこして、家族や介護者を疑うようになります。

中期になると時間や場所がわからなくなったり、言葉がわからなくなってうまく話せなくなります。徘徊が出るのもこの時期です。

後期に入ると家族の顔や名前がわからなくなる、表情が乏しくなる、尿意や便意も伝えられなくなります。さらに、のみ込みが悪くなって食事ができない、歩行が困難になるといった身体的な障害も現われます。

(2)脳血管性認知症

【原因】

前頭葉で発症した脳梗塞、脳出血、くも膜下出血のあとに病変が原因でおこる認知症です。

【特徴】

脳血管性認知症は、一般的にかくれ脳梗塞と呼ばれる症状が出ない軽い脳梗塞を繰り返し、徐々に認知症になるタイプと、一度の脳梗塞や脳出血で認知症がおこる場合があります。

脳血管性認知症は、高血圧や糖尿病、高脂血症、心房細動の持病を抱える男性におこりやすい傾向があります。

【症状】

症状はうつ病、感情失禁(些細なことで大泣きしたり、大喜びすること)、尿失禁です。

症状が徐々に進む時期と、安定期が交互におこるため、本人に自覚症状があります。また、脳血管障害でマヒなどの後遺症があると身体活動が落ち、認知機能も低下します。

Doctors have confirmed the MRI image

(3)レビー小体型認知症

【原因】

レビー小体型認知症は、大脳皮質や脳幹にレビー小体と呼ばれるタンパク質が脳内にたまり、神経細胞が変性して死ぬことで、認知機能の低下などが現れます。

【特徴】

レビー小体型認知症には2つのタイプが存在します。1つ目は「通常型」と呼ばれ、初老期から老年期に認知症を伴い発症します。

2つ目の「純粋型」は、男性が発病することが多く、なだらかに進行します。40代以下でも発症することがあります。画像診断では脳の委縮は軽いという特徴があります。

【症状】

「通常型」の初期はもの忘れと、子供や虫が見えると訴える幻視と、柱が人に見えるという錯視が特徴です。初期には、自分がおかしい、と認識しています。

やがて筋肉のこわばりや動きが少なくなる運動神経症状、便秘や尿失禁、血圧の調整障害といった自律神経症状が現れます。

「純粋型」の場合、機能低下は全体におこり、パーキンソン症状が強く出ます。初期はもの忘れを自覚しており、人格も保たれていますが、被害妄想が起きやすいといわれています。

(4)ピック病・前頭側頭型認知症

【原因】

脳細胞(前頭葉)が委縮してピック小体という、異常物質ができることで起こる病気です。

【特徴】

前頭側頭型認知症はピック病、失語症候群、認知症候群の3つにわかれ、一番多いのがピック病です。この認知症は症状が多岐にわたるため誤診されることがあります。

また、多くの患者が40歳~64歳以下で発症します。

【症状】

食行異常(なんでも食べようとする、嗜好が変わる、過食)、常同行動(同じ字を書き続ける、同じ行動を繰り返す)、模倣行為(目に入った人の行為をまねする)、万引きなどの盗癖、状況にそぐわない言動、他者への無関心、身なりに気を使わない、不潔になる、言語理解の低下など。

このように認知症は脳の障害をうける部分によって症状が異なることがわかります。


3)認知症の前触れ 軽度認知障害(MCI)とは

認知症とは別に、認知症の前触れと呼ばれる軽度認知障害という症状があります。

軽度認知障害は、リハビリや生活習慣を見直すことで、進行を抑えることができます。

【原因】

多くのケースでは原因が不明です。しかし、かくれ脳梗塞などの影響で症状が出ることがあります。

【症状】

下記の5項目すべてに当てはまると軽度認知障害と考えられます。

(1)本人または家族(介護者)によるもの忘れの訴えがある

(2)加齢の影響だけでは説明できない記憶障害(事実をそっくり忘れているなど)がある

(3)日常生活能力は自立している

(4)全般的な認知機能は正常

(5)認知症ではない

【進行を抑えるには】

まずは認知症の専門医のいる病院で、問診や検査により病気が隠れていないか調べます。

脳に病気がなければ、病院や自治体の担当者へ相談をし、軽度認知障害のプログラムを行っているところを教えてもらいましょう。自治体などで取り組みがない場合は、認知症患者と家族への情報提供を行っているWEBサイトでも知ることができます。

個人で気をつけることは、毎日規則正しい生活と有酸素運動です。また、同じ毎日を繰り返さないように、料理や園芸、旅行などの趣味を楽しんだり、旅行へ行ったり、友人と会うなど、生活に変化をつけることも脳に刺激を与えます。


   


今回のまとめ

1)認知症とはどんな病気か

2)代表的な4つの認知症の種類とは

3)認知症の前触れ 軽度認知障害(MCI)とは