携帯を扱う女性

妊娠中は急激な体の変化に伴い、つわりや頭痛などに悩まされることも多いかと思います。いつもであったら気軽に飲んでいた頭痛薬も妊娠中の服用には注意が必要です。

今回は、妊婦さんの体の変化と頭痛についてお伝えします。


   


妊婦さんの頭痛の3大原因!解消方法とは


1)妊娠中の体内の変化

(1)妊娠初期

疲労感を強く感じる時期です。早い人では悪阻(つわり)で辛い思いをする人もいるでしょう。お腹の中では赤ちゃんが臓器を作っている一番大切な時期になります。

母乳を出す準備が始まるため、ホルモン(主にエストロゲン)が多く分泌されます。

(2)妊娠中期

子宮がおへその上にまで達して、おなかがふくらんできます。大きくなった子宮は周囲の臓器を圧迫するので、胃がもたれやすく、一度にたくさん食べられなくなったり、便秘傾向が強くなります。

おなかが重たくなってくると体の重心が後ろにずれるため、背骨や腰に負担がかかってきます。妊娠すると、心臓から押し出される血液の量が妊娠していない時と比較して最大30%~50%増加すると言われています。

妊娠中期にはこれが最大となります。

(3)妊娠後期

妊娠を継続させる為のホルモンであるプロゲステロンは妊娠8~9ヶ月頃に分泌量のピークを迎え、その後分娩までゆるやかに減少していきます

妊娠後期には、今まで体内で起こっていた様々な変化が通常に戻り始め、お母さんも赤ちゃんも落ち着いて出産に望めるようになります。


2)妊娠中の頭痛が起こる3つの理由

(1)ホルモンバランスの変化

妊娠初期に見られる頭痛の多くは大量に分泌されるホルモンが原因といわれています。

中でも黄体ホルモンは、着床した受精卵を守るために子宮内膜を柔らかくしたり、血管を広げて血液循環を良くしようとします。

拡張した血管の周りにある神経を圧迫し、ズキンズキンとした頭痛が起こります。

(2)疲労、緊張

慣れない妊娠で体が疲れやすくなったり、緊張状態が続くと、少し動くだけで脳に十分な血液を送るために拍動と血圧は急激に変化します。

しかし妊娠中は子宮が血液の供給において優先権を与えられています。ですから脳の血流は、通常よりも少しだけ減ってしまいます。そのために、頭痛が起こりやすくなるのです。

(3)心身のストレス

妊娠すると体も大きく変化し、ホルモンの分泌の変化などもあり精神的に不安定になることがあります。

体調の変化や出産への不安、育児に対する不安、家事が思うようにできないもどかしさなどでイライラする事が多くなります。

このイライラが原因で頭痛が起こることがあります。


3)妊娠中の頭痛薬、薬の選び方

基本的には、かかりつけの婦人科で処方してもらうものが一番安全です。

どうしても耐えられない痛みのときのみ以下のものが主成分の市販の頭痛薬を服用するようにしましょう。

心配な場合は電話でかかりつけのお医者様へ確認してください。

(1)アセトアミノフェンを主成分とした頭痛薬

妊娠中に服用しても大丈夫だとされている頭痛薬のひとつはアセトアミノフェンを主成分としたものです。

アセトアミノフェンにはアスピリンと同じ様に痛みを抑制する働きがありますがその効果は比較的弱いため妊婦が服用しても影響が出にくいのです。

(2)イブプロフェンを主成分とした頭痛薬

効果としては痛みを知らせてくれる物質を抑制する作用があります。

元は医薬品なので、強い解熱鎮痛効果が期待できます。また、即効性があるのも一つの特徴です。

※ただし、イブプロフェンを主成分とした頭痛薬は妊娠32週以降の妊娠後期に入った妊婦さんには禁忌薬とされています。

理由は、胎児の動脈に影響を起こす危険性があるためです。妊娠後期に入ったらイブプロフェンの入ったお薬は使用しないようにしてください。

Young couple visiting a gynecologist


4)妊娠時期に控えた方が良い頭痛薬

飲んではいけない頭痛薬を妊娠中に飲んだ場合、赤ちゃんに「胎児毒性」という影響があります。

胎児毒性とは、母体を介し胎児に薬の成分が入ってしまうことで、薬に抵抗力のない胎児に薬の成分が作用してしまうことから、新生児肺高血圧症の危険性があります。

他にも胎児の腎機能の低下によって尿が少なくなり羊水過小の状態になる可能性があります。

こういった症状は妊娠後期にでやすいですが、初期・後期関係なく危険なことなので絶対に飲まないように注意しましょう。

(1)ロキソニン

成分名はロキソプロフェンナトリウム。

よく処方されるものですが、病院で処方されたものであっても服用しないでください。

ここからは市販薬としては売られていない薬ですが、以前医師に頭痛薬として処方してもらったといった理由で持っている方は飲まないように注意してください。

(2)モービック

成分名はメロキシカム。手術後・外傷後の疼痛・炎症などの治療に使います

(3)セレコックス

成分名はセレコキシブ。非ステロイド性鎮痛抗炎症剤で痛み止めとして処方されることが多い薬です。

(4)ポンタール

成分名はメフェナム酸歯痛。副鼻腔炎(ふくびくうえん)、月経痛などの痛みや炎症の治療に使われることが多い薬です。

(5)妊娠初期に特に飲んではいけないアスピリン系

妊娠中でも特に12週までの初期段階で飲んではいけないとされているのがアセチルサリチル酸、いわゆるアスピリンが含まれた頭痛薬です。この成分を大量に摂取することにより、出血、催奇性、予定日の大幅超過などの可能性があります。

妊娠初期の方は特に飲まないように注意してください。

具体的には以下の薬があります。

・バファリンA

・バファリン顆粒

・ケロリン


5)妊娠中の頭痛を和らげる3つのポイント

(1)患部を暖める・冷やす

緊張性の頭痛か、慢性頭痛かによりますが、緊張性でズキズキと痛む場合は冷やし、なんとなくいつも痛いような頭痛の場合は痛いところを温めることで、頭痛が和らぎます。

(2)ストレッチ

体に無理の無い程度のストレッチは、滞っていた血流をスムーズさせる効果があります。

急なストレッチは危険ですが、座って両足を投げ出してひざ裏のストレッチや、わき腹を伸ばしてリンパの流れを良くする事で、気分もリフレッシュできます。

(3)不安な気持ちを解消する

妊娠、出産の不安は経験者なら誰しもが感じることです。

好きな音楽を聴いたり、先輩ママに不安を打ち明けたりして心配事をなくすように心がけることで、体もリラックスし、頭痛の予防につながります。


   


今回のまとめ

1)妊娠中の頭痛の大半はホルモンの影響や体内の変化によるもの

2)妊娠時期に飲んではいけない薬がある

3)どうしても耐えられないほどの痛みの場合は、まずは医師に相談

4)なるべく薬の服用は避け、他の方法で痛みを和らげるようにする

今回は「妊娠」という特別な体の変化に伴う頭痛についてお伝えをしました。

見えない体の中で新しい生命が成長し、母体も変化することに不安や戸惑いがあるかもしれませんが、出産後には妊娠中の辛さを忘れるほどの幸福感が待っています。

辛い頭痛ですが、命をかけて守るべき赤ちゃんのことを第一に考え、なるべく薬に頼ることなく痛みを和らげていただけたらと思います。