リボンの巻かれた妊娠後期の妊婦のお腹

妊娠中は体のお母さんの体の変化と、赤ちゃんの体の心配とあらゆることに気を配らなくてはならなくて大変ですよね。

普段何気なく飲んでいた頭痛薬も、成分によっては飲んではいけないものも出てきます。今回は、妊婦さんに知って欲しい頭痛薬について、飲んでも良い頭痛薬、避けたほうが良い頭痛薬、またそのほかの頭痛予防のポイントについてについてお伝えします。


   


妊婦さんの頭痛薬2選!避けるべき5つの薬とは


1)3つの妊娠期間別でみる体と頭痛の変化

(1)妊娠初期 4〜15週(妊娠2月〜4ヶ月)

お腹の中では赤ちゃんが臓器を作っている一番大切な時期になります。

疲労感を強く感じる時期です。早い人では悪阻(つわり)で辛い思いをする人もいるでしょう。このつわり症状で、脱水症状を引き起こしてしまうことがあります。

つわりで嘔吐が続いたり、食べ物を受け付けなくなると、水分が不足して脱水症状を起こすというような状況に陥ります。

すると、血管が拡張してそれを回復しようとするために神経を刺激し頭痛を起こします。

また、黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加することで、ホルモンバランスが乱れてしまい、それにうまく対応できない時期でもあります。

そのため自律神経がうまく働かなくなり、 血管の拡張や収縮が乱れることで頭痛が起きます。

(2)妊娠中期 16〜27週(妊娠5〜7ヶ月)

安定期に入ります。気持ち的にも少し落ち着いてくるころでしょう。ホルモンバランスの急激な変化にも対応できるようになり、つわりも徐々に軽くなってきます。

この時期の頭痛は、緊張性頭痛という、肩こりや腰痛が原因のものが多くなります。

妊娠経過で大きくなった乳房の重さで肩が張る、おなかをかばうために体のバランスを崩して腰痛になり、それが背中や肩まで達して、頭痛を引き起こしてしまうのです。

また、この頃のお母さんの心臓から押し出される血液の量は、妊娠していない時と比較して最大30%〜50%増加すると言われています。血管が広がることで周辺神経を圧迫し痛みを感じることがあります。

(3)妊娠後期 28〜39週(妊娠8〜10ヶ月)

妊娠後期には、今まで体内で起こっていた様々な変化が通常に戻り始め、お母さんも赤ちゃんも落ち着いて出産に望めるようになります。

この時期の頭痛は、鉄分不足による片頭痛が多く見られます。胎児が酸素不足にならないように母体から多くの鉄分が送られます。そのため、お母さんは鉄分不足になります。

鉄分不足になると、血液中のヘモグロビンの生産量が少ない状態になり、、十分な酸素が身体に行き渡らないために貧血(=脳の酸欠状態)に陥ってしまうのです。この鉄分不足の状態で出てくる症状の一つに頭痛があります。

また、大きなお腹で血管が圧迫され、血液の循環がうまく行かないことで頭痛を引き起こすこともあります。


2)妊婦さんが飲める2つの頭痛薬

(1)処方薬

産婦人科で安全な薬を処方してもらい、医師の指示に従って服用することが一番よいでしょう。特に赤ちゃんの体ができあがっていない妊娠初期は、どんな薬を飲む場合でも必ず事前にお医者さんに相談しましょう。

(2)アセトアミノフェンを主成分とした頭痛薬

妊娠中に服用しても大丈夫だとされている頭痛薬のひとつはアセトアミノフェンを主成分としたものです。
アセトアミノフェンにはアスピリンと同じ様に痛みを抑制する働きがありますがその効果は比較的弱いため妊婦が服用しても影響が出にくいのです。

どうしても我慢できない、上の子の世話が出来なくて困っているなど、緊急時に婦人科へ電話などで相談した上で飲むようにしましょう。

(3)イブプロフェンを主成分とした頭痛薬

効果としては痛みを知らせてくれる物質を抑制する作用があります。
元は医薬品なので、強い解熱鎮痛効果が期待できます。また、即効性があるのも一つの特徴です。

※ただし、イブプロフェンを主成分とした頭痛薬は出産予定日から12週以内の妊婦さんには禁忌薬とされています。

胎盤を通過して薬品成分が胎児に移行した場合、胎児循環持続症と呼ばれる病気になる危険性があります。胎児は羊水の中にいて呼吸はできませんので、母体から胎盤を通して血液中の酸素をもらっています。

動脈管とよばれる胎児のときだけにある血管を通じて、血液は「心臓から肺に行く肺動脈」から肺へ行かずに「心臓から全身に行く大動脈」に流れています。

もし胎児が子宮内にいるときに、胎児循環持続症でこの動脈管が閉鎖すると、胎児が呼吸することができなくなり、胎児死亡となることもあるのです。

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3)避けたほうが良い5タイプの頭痛薬とは

(1)ロキソニン

成分名はロキソプロフェンナトリウムよく処方されるものですが、病院で処方されたものであっても服用しないでください。

(2)モービック

成分名はメロキシカム。手術後・外傷後の疼痛・炎症などの治療に使います

(3)セレコックス

成分名はセレコキシブ。非ステロイド性鎮痛抗炎症剤で痛み止めとして処方されることが多い薬です。

(4)ポンタール

成分名はメフェナム酸歯痛。副鼻腔炎(ふくびくうえん)、月経痛などの痛みや炎症の治療に使われることが多い薬です。

(5)妊娠初期に特に飲んではいけないアスピリン系

妊娠中でも特に12週までの初期段階で飲んではいけないとされているのがアセチルサリチル酸、いわゆるアスピリンが含まれた頭痛薬です。この成分を大量に摂取することにより、出血、催奇性、予定日の大幅超過などの可能性があります。

妊娠初期の方は特に飲まないように注意してください。
具体的には以下の薬があります。

・バファリンA

・バファリン顆粒

・ケロリン

この成分を大量に摂取することにより、出血、催奇性、予定日の大幅超過などの可能性があります。
妊娠初期の方は特に飲まないように注意してください。


4)薬以外に出来る妊婦さんの頭痛を和らげる方法

頭痛には大きく「偏頭痛」と「緊張型頭痛」の2種類があり、どちらに当てはまるかをまず見極めましょう。

偏頭痛は脳の血管拡張されることが原因で、吐き気や嘔吐、肩こり、こみかめや目の周辺の痛みが伴い、ズキズキとした頭痛が起きます。

一方、緊張型頭痛は血管収縮が原因で、後頭部から首筋にかけて頭全体にしめつけられるような痛みが起きます。

(1)偏頭痛の場合

痛む場所を濡れタオルなどで冷やして広がった血管を収縮させ、暗い部屋で休みます。温めると痛みが増すこともあるので、お風呂は避け、シャワーにしておきましょう。

アイマスクをしてゆっくりと休むのもおすすめです。こめかみなどの血管を指で圧迫することも効果的です。

血管拡張作用のあるチョコレート、オリーブオイル、ハム、サラミ、チーズ、柑橘類は偏頭痛を誘発しやすいので、摂りすぎには注意しましょう。

(2)緊張型頭痛の場合

頭、首、肩の筋肉をほぐすことを意識しましょう。それには、デスクワークの途中で背筋を伸ばしたり、マッサージやストレッチをしたりして、同じ姿勢を長時間取りつづけない工夫も有効ですし、温めたタオルを首回りに巻いたり、入浴によって筋肉をリラックスさせるのもよいでしょう。

僧帽筋を伸ばすストレッチも効果的です。ひじを軽く曲げ、肩を中心にひじを前後にそれぞれ大きく回します。肩の僧帽筋の動きを意識して行ってください。6回ほど繰り返すとよいでしょう。

そのほかにも手軽にできる対策として、ツボ押しも効果的です。頭と首がつながっている部分で、首の筋の付け根にあたる「天柱(てんちゅう)」というツボは、頭痛や肩こりに効果があります。

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5)妊婦さんの頭痛を予防する5つのポイント

(1)頭痛をおきにくくする栄養素

片頭痛を起こしにくくする栄養素として、マグネシウム、ビタミンB2などが知られています。積極的に摂取すると、片頭痛の頻度を減らす効果があるとされています。

ビタミンB2を多く含む食品

納豆

レバー

ウナギ

牛乳・ヨーグルトなどの乳製品

ホウレンソウなどの葉菜類

マグネシウムを多く含む食品

大豆製品

ゴマ、アーモンドなどのナッツ類

ヒジキなどの海藻類

緑黄色野菜

これらを積極的に取り入れ、頭痛を予防しましょう

(2)ストレスを発散する

身体共に様々なストレスを感じやすい妊娠期間ですが、上手にストレスを発散させることで筋肉の緊張を防ぎ頭痛を起こしにくくします。

妊娠期間中にしかできないことにチャレンジして気分転換をするのもいいでしょう。毎日お腹の写真を撮ってアルバムを作ったり、赤ちゃんのためにしてあげたい事を書き出すなど、妊娠と赤ちゃんとの出会いを楽しみに過ごしてみましょう。

マタニティヨガや母親教室などで他の妊婦さんと話をしてみるのもおすすめです。同じ悩みを持った人とストレスに感じていることを分かち合えることで心が楽になりますよ。

(3)寝不足を解消する

妊娠中期、後期に入ってくるとお腹が大きくなり、ゆったり眠るのが難しくなることがあります。また、胎動が激しいと生まれる前から赤ちゃんに起こされてしまうことも。そのため気付かないうちに寝不足になり頭痛の原因になることがあります。

お腹の重さで寝苦しい場合は寝る姿勢を検討してみましょう。一般的には左を下にしたシムスの体位がおすすめですが、長時間継続してその姿勢で寝ることは難いかもしれません。あまり形式にはとらわれず、自分の楽な姿勢を探してみましょう。

(4)冷えを予防

妊娠中はつわりで冷たいものしか口にできなかったり、基礎体温があがることで暑く感じやすくなりますが、体を冷やすことはお母さんにも赤ちゃんにもよくありません。

冷えは体全体を固くし、こりを加速させます。冷たい飲み物はできるだけ避け、適度に体を動かすことで冷えの解消に努めましょう。お腹や足元を温めるのも効果的です。

(5)体重増加を防ぐ

妊娠中は普段より体重が増加します。そのため同じ活動をするにしても体への負担が大きく疲労がたまりやすくなり、頭痛の原因になるとされています。

妊娠中に体重が増えるのは当たり前ともいえますが、必要以上の体重増加は妊婦の体に負担をかけ、赤ちゃんにも決してよいことではありません。今一度自分の妊娠前の体重を確認し、適切な範囲での体重増加に抑えられるよう食生活を見直しましょう。


   


今回のまとめ

1)妊娠中の頭痛はホルモンの急激な変化が原因

2)妊娠中の頭痛薬は、妊娠時期により禁忌薬があることに注意

3)出来る限り婦人科で処方された薬を飲むようにしたほうがよい

4)頭痛のタイプにより対処法が違うので、どちらなのか見極めてから対処するようにするとよい

5)ストレスが大きな原因であることが多く、上手に発散することが大切

妊娠期間から、お母さんは赤ちゃんを守らなければならないのですね。お母さんになるプレッシャーもとても大きいことでしょう。

我慢することや辛いこともあることと思います。不安やストレスは先輩ママや婦人科で相談して、少しでも気を楽にし、赤ちゃんのために楽しみながら出産に備えましょう。

出産後は、妊娠中の辛さは一瞬でわすれてしまいますよ。がんばってください。