Ill man and assisting wife

日本人の死亡原因で、第4位が脳血管疾患、つまり 脳卒中です。10人に1人、厚生労働省による 2011年の患者調査の概況の調査 では、国内に123.5万人。

さらに、2013年国民生活基礎調査  によれば、要介護状態に認定された人の21.7%がこの脳血管疾患。今回は脳卒中の前兆症状、最も大切な改善方法をお伝えします。


   


脳卒中の4つの前兆!初期・中期・末期症状とは


1)脳卒中とはどのような病気か

脳卒中とは、脳血管疾患 あるいは 脳血管障害 と呼ばれ、脳梗塞=のうこうそく、脳出血=のうしゅっけつ、くも膜下出血=くもまっかしゅっけつ、の3つの総称です。

つまり、頭部に張り巡らされている血管のどこがが破れることで、出血し、脳の機能が壊れてしまうことで、死亡例や後遺症例が非常に多い特徴があります。

(1)脳梗塞とはどんな病気か

脳卒中の中で、一番多いのが脳梗塞で、約60%を占めています。梗塞=こうそく、とは心臓から体全体に流れる動脈が、脳内で詰まりを起こすことを言います。

動脈は新鮮な血液や酸素、栄養分を運び、脳の神経細胞を活性化させます。ところが、この動脈のトンネル内に不純物が溜まり、血流がストップしてしまうと、神経細胞は死んでしまいます。

動脈は血液を運び、静脈は神経細胞で使い切った栄養分や、汚れた血液を再び心臓に送り返す役割がありますが、静脈が詰まることで脳梗塞になる割合は多くありません。

神経細胞が破壊されると、元どおりにはならず、破壊されることで足や手、腕など、様々な部分の神経が通らなくなることで、麻痺が残ります。また、最悪の場合は死に至ります。

(2)脳出血とは、どんな病気か

動脈硬化が起きて、血管がもろくなる、という話を聞くことはありませんか。動脈が硬くなるとは、脂肪分の多い食事を好むと、動脈内を通る血液にコレステロールが多く含まれてしまうことを言います。

コレステロールの一部は、血管の中にくっついてしまいます。例えば、ゴミが詰まってしまった掃除機のホースは、その部分が硬くなってしなやかさがなくなります。

こうなると、せっかく吸い込む力があっても、ホースの中でゴミが溜まり続けます。脳出血はまさにこの現象を差します。血液を勢い良く流すには、ポンプ役の心臓の力が必要です。

ところが、馬力を高めなければ流れない血液は、血管内の圧力をどんどん高めます。これが高血圧であり、脳内の細く詰まった血管に力がかかって破れてしまうのが、脳出血なのです。その結果は甚大で、意識障害や片麻痺、死亡例も多く見られます。

(3)くも膜下出血とはどんな病気か

くも、という言葉は、蜘蛛のこと。頭を覆う硬い頭蓋骨の内側に透明な薄い幕状のものがあり、まるで蜘蛛の巣の様であることから くも膜下 と呼ばれた部位での出血を言います。

よくホルマリン漬けの脳をテレビや図鑑で見ることがありますが、この脳とくも膜下の間には脳へ血液を送る動脈があり、動脈内に 瘤=こぶ ができたり、動脈硬化が起きると、血管は破れてしまうのです。

その衝撃は大変大きく、ガンガンと頭を殴られたような感じになり、意識がなくなります。死亡例はこの際に血液が脳内に吐き出されてしまい、神経細胞を破壊してしまうこと。

死亡率は3分の1、後遺症を患う方が3分の1、残りの3分の1が問題なく生活できるレベルになります。ただ、年間2万人ほどの罹患数なため、脳卒中では一番数が少ないのです。


2)脳卒中の4つの前兆とは

脳卒中には、3つの疾患があることがわかりました。それとともに、なってからでは遅い、大変危険な疾患でもあり、まずはどんな 前触れ があるのかを知っておかなければなりません。

ここでは、その前兆を4つに分けていきます。

(1)体のしびれ

脳卒中は、全て 脳内 の血流が原因になる疾患です。ですから、頭痛が発生すれば、その前兆か、と考える方がありますが、そうではありません。

脳内の血管が詰まっていることで、結果的に神経細胞が栄養分や酸素を受け取れず、神経の伝達が遅くなったりできなったりしますので、それが結果的に体にでてくるのです。

そのひとつは 体のしびれ です。ちょっとした階段の段差でつまずいたり、食事中に箸を落としてしまったり、スリッパが脱げて転んでしまったりする場合は、脳卒中を疑ってみましょう。

(2)言葉が出てこない

言葉がスムーズに出てこない、という場合はよく 物忘れ と勘違いされやすく、高齢者の加齢によるもの、と認識されがちです。

ですが、実際には ろれつが回らない、口の中のしびれ などが起こっていることが多いのです。これは口内の麻痺と、脳内の神経細胞の破壊が発生していると考えられます。

話をしても、反応がない場合や、トンチンカンな答えをする場合、言語の伝達が脳内で混乱している証拠です。これらも血管を通る血液の量が不足したり、酸欠による脳血管障害の前兆です。

(3)左右どちらか一方の目が見えていないことがある

歩道を歩かず、車道の真ん中を歩こうとしたり、食卓で自分の右側、あるいは左側の食器に全く手をつけないことがあります。

また、左右どちらかにいる人や壁、物にぶつかってしまうことも。これらは、半可視=はんかし 、つまり視野の半分が見えていないことを意味します。

物が二重に見える、ぼやけて見える、などの場合も同じで、脳梗塞の前兆のひとつ、と考えられるのです。

(4)バッドで殴られたような頭の痛み

脳卒中の中で、くも膜下出血の場合は、特に前兆がありません。そのため、いきなり殴られたような衝撃を感じて、倒れてしまう、あるいは意識を失うといった場合は、間違いなく くも膜下出血 といって良いでしょう。

この場合は即座に医療施設に救急搬送されなければ、最悪死亡、あるいは後遺症が発生してしまいます。

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3)脳卒中の初期・中期・末期症状とは

(1)突然の痛むケースがほとんど

脳卒中は、前兆があることを上記に示しましたが、実は多くの場合、突然倒れ、意識がなく、病院で診断名が付けられるまでわからなかったケースが殆どです。

そのため、脳梗塞でも脳出血、くも膜下出血でも、その前兆から推定して、前期、中期、後期という判読はなかなかできません。

(2)初期・中期・末期と進行するような症状でもない

逆に言えば、倒れてしまってから、そういえばあの時に手が震えていたな、何か話そうとして口をパクパクさせていたな、などと周りの人が回想するのですが、それが前兆と気づくのは非常に稀だ、ということです。

前期、中期、後期と次第に症状が悪化する様な疾患ではない、ということを知っておくのが重要なのです。この、初期、中期、末期については、次にお伝えする 原因で解説していきましょう。


4)脳卒中の代表的な2つの原因とは

2009年に、独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院勤労者リハビリセンター が発表したデータがあります。

これは全国にある 厚生労働省管轄の病院である、労災病院が集めた資料ですが、脳卒中患者の60%が 70歳以上 という結果でした。その数は年々減少していますが、中で30歳代の脳梗塞患者が急増しているのが特徴です。

(1)糖分と塩分の取りすぎ・高血圧

70歳代以上の人の脳卒中が非常に多いのが、日本人の特徴です。

高齢者の食生活で多いのは、漬物などの高塩分の食事ですが、塩分は日々5gから7g、醤油なら小さじ5杯から7杯程度の分量を超えて取り続けると、血圧上昇の元になります。

つまり、高血圧の人の場合は、結果的に脳卒中になりやすいのです。

また、糖分の取りすぎも問題です。甘いものや油、肉などを多量に摂取し続けると、中性脂肪となって体内に蓄えられて、血管をもろくさせてしまいます。

食事で疾患になるもの、といえば糖尿病が知られています。ですが、体にストレスを与える食生活を 習慣化 して行うことが、実は脳卒中の初期症状と見て間違いありません。つまり、初期状況は未病状態と言えるのです。

(2)運動不足・血管の弱り

運動不足は健康に良くないことは、誰でも知っています。ですが、それは筋肉の衰えを防ぐため、という人が意外に多いのも実情です。

実は、運動をしておく大きな理由は、常に体内に新鮮な酸素を送り込んでおくことが大事だからです。呼吸は酸素を吸い込み二酸化炭素を吐き出しますが、これは口から食事で栄養を摂取し、排尿と排便で不要物を放出する呼吸と同じ行為です。

ただ、こうした呼吸を行う力は、内臓器官が握っています。つまり、呼吸できる体力を持っていること、咀嚼できる筋力を保つことも、運動にかかっているのです。

ここで考えなければならないのは、食生活に続き、基礎体力をつけておかないことが、未病中期にかかる、ということです。

運動がなぜ大事か、ということですが、血管を強くするという意味が大きいのです。人体は骨や筋肉、と臓器などに注目されがちですが、それは全て血液を通して形成されます。

ですから、血液を流す血管と神経を守る骨格、筋肉を鍛えなければなりません。それがもろくなってしまった段階で、まるでダムから満杯の水が放水されるように、一気に脳内で出血が起こります。

これが脳卒中の始まりであり、終わりを迎えます。つまり、末期症状なのです。


5)脳卒中の2つの検査方法とは

脳卒中は脳の内部を撮影することで、疾患の可能性や原因などが判明できます。主に2つの方法があるのは、それぞれに得意不得意があるためです。まずは、MRIから見てみましょう。

(1) CTとMRI

CT=computed tomography、コンピューター断層撮影法は、小さなクリニックや歯科医も設備として持っている場合が多く、操作は非常に簡易になっています。

X線、つまり放射線によって頭部の断面写真が、骨は白、水は黒、脳はその中間のいろいろな濃さの灰色に投影されます。脳出血やくも膜下出血で力を発揮する方法なのです。 

MRI=magnetic resonance imaging、磁気共鳴画像は、エックス線の代わりに磁力を使い、コンピュータで解析します。

強い磁力は、人間の体の細胞の元となる分子に影響を与えます。その度合いを断層写真化するのがMRIです。T1、T2など、脳梗塞の解析に特徴ある機種を選んで、病院は設備を導入しています。

ちなみに、この機械は1台、5億円から20億円程度で、毎年精度が上がっていることから、病院は最新式の機種の導入に努めています。

検査では、安くても一回8,000円の費用がかかり、これは健康保険適用後の診断料です。診察はこのほか別途かかります。

(2)MRAとRI

 MRAはMRI同様、磁力による画像撮影を行う機種です。主に、血管の詰まりに非常に強い撮影が可能です。くも膜下出血の場合は、まず、この検査で行われます。

 RIは放射線同位元素、と呼ばれるものを液体化して、腕から注入し、脳血流をグラフィック化するものです。

赤、黄、青、緑など、色別で血流の量を測定でき、脳内で損傷がある場合その部分は暗い色に反応が出ます。

group of happy doctors meeting at hospital office


6)脳卒中の治療方法とは

脳卒中の治療は、何種類もありますので、一つ一つを解説することはできませんが、その内容は一点に凝縮できます。それは血管を綺麗にすること」です。

血管の詰まりは様々ですが、血栓と呼ばれる止血を役割とする血液塊が血管を塞ぐほど大きくなることもあります。こうした場合、これを溶かす薬を注入することで、血管の流れを復活させます。

また、酸素を高圧で血管に流し込む方法、あるいは血液の特徴を生かして、その成分に足りない部分を補強していく方法など、様々です。


7)脳卒中の治療後の予後とは

(1)体の麻痺・片麻痺

脳卒中は、早期発見で疾患を食い止めることができます。ですが、一旦なってしまってからでは、後遺症を出さずに完治することは、非常に困難です。

脳内のどの部分の血管が破裂し、脳内の神経細胞が破壊してしまうかで、麻痺してしまう体の部位が変わっていきます。

よく見られるのは、片麻痺ですが、これは体の右半分か左半分が完全に麻痺するか部分的に麻痺してしまう状態です。

(2)味覚・視覚の麻痺

味覚も視覚も片方だけであり、歩くことから話すこと、食べることまで非常に不便さが後遺症として残ります。

(3)専門的なリハビリテーションで社会復帰へ

ですが、リハビリテーションによって、どれだけ生活力がつくかが問われます。歩くこと、食べること、そして手先を動かすなど、残された血管と神経細胞の活性化、そして様々に発達してきた器具や電子機器を利用することで、だんだんと片麻痺の患者への社会復帰も果たされ始めています。

今回は、脳卒中についての前兆をまとめてみましたが、誰でもなりうる病気のひとつとして、日常の食生活や運動、ストレス対策など、しっかり準備しながら楽しく人生を送ることが、この疾患を遠ざける大きな力となるのは間違いありません。


   


今回のまとめ

1)脳卒中とはどのような病気か

2)脳卒中の4つの前兆とは

3)脳卒中の初期・中期・末期症状とは

4)脳卒中の代表的な2つの原因とは

5)脳卒中の2つの検査方法とは

6)脳卒中の治療方法とは

7)脳卒中の治療後の予後とは