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体調が悪い時や、寝不足の時にめまいがすることはありませんか。一瞬めまいをおこすだけでなく、吐き気がしたり日常生活に支障が出る人もいます。

実はほとんどのめまいはが原因でおこります。今回は三半規管ととめまいの関係、対処方法と予防方法についてお伝えをします。


   


三半規管とめまいの4つの関係性!病気と症状とは


1)三半規管とは何か

(1)3つの耳の構造

めまいの原因になる耳の構造について説明します。耳は外耳、中耳、内耳の3つに分けられます。平衡感覚をつかさどる器官は一番奥の内耳にあります。

内耳は聴覚をつかさどる蝸牛、平衡感覚をつかさどる三半規管と耳石器の3つの器官で構成されています。三半規管と耳石器を合わせて前庭器官と呼びます。

蝸牛からは聴覚を伝える蝸牛神経が、前庭器官からは平衡感覚を伝える前庭神経が伸びており、それぞれ脳幹へつながっています。これらの神経を合わせて第八脳神経(聴神経)と呼びます。

内耳は骨で囲まれた骨迷路と骨迷路の内側の膜で覆われた膜迷路に分けられ、骨迷路と膜迷路の間には外リンパ、膜迷路の中には内リンパという液体が流れています。

外リンパは脳内の脳脊髄液とつながっており、内リンパ嚢から吸収されます。

(2)三半規管の3つの構成

三半規管は側半規管、前半規管、後半規管の3つに分かれています。

頭の動かし方により外側半規管は左右水平回転、前半規管、後半規管は上下の垂直回転の速さを感知します。

頭を動かすと三半規管の中にある内リンパに流れが生じ、この流れを感覚細胞がとらえ、頭が動いた方向や速さを認識する仕組みになっています。

耳石器は水平・垂直方向の直線の動きと速さ、傾き、重力などを感知します。

耳石器の中には卵形嚢と球形嚢という2つの入れ物があり、その中に炭酸カルシウムでできた耳石という石が詰まっています。

身体を動かすことにより遠心力や重力が加わり耳石が動いて配置にズレが生じます。このズレを感覚細胞がとらえ、身体の傾きや動きを認識する仕組みになっています。

三半規管と耳石器の感覚細胞がとらえた情報は脳へ伝えられます。


2)めまいがおこる4種類の病気!そのメカニズム

ここでは、めまいをおこす代表的な病気を例にめまいがおこるメカニズムを紹介いたします。

(1)メニエール病

症状

自分や周囲がグルグル回っているような回転性のめまい、耳鳴り、耳閉塞感(耳が詰まっているような感じ)、難聴、吐き気、嘔吐、頭痛

1回のめまいは数時間以内におさまりますが、繰り返しめまいがおこると耳鳴りや難聴が伴うようになります。

めまいのメカニズム

原因は内耳の膜迷路におこる水腫(水膨れ)です。内耳の内リンパが増えすぎると膜迷路が膨らんで水膨れをおこします。この状態を内リンパ水腫といいます。しかし、なぜ内リンパ水腫がおこるのかは不明です。

内リンパ水腫がおこると、蝸牛や前庭器官の膜迷路内の内圧が高まり、蝸牛内では蝸牛間と前庭階を仕切っているライスネル膜を押し上げ、前庭器官の膜迷路も膨れ上がります。

このライスネル膜が破れると、内リンパと外リンパが混じり、激しいめまいをおこすことがあります。また、前庭器官の異常は自律神経に影響するため、吐き気や嘔吐、頭痛が同時におこります。

泣いている赤ん坊を抱っこする女性

(2)良発性頭位めまい症

症状

急に上を向いたり寝返りを打つなど頭の位置を動かした時におこるめまいです。特定の姿勢をとった時におこる人が多いようです。

めまいは繰り返しおこりますが、めまい自体は3分以内と短く、めまいのおこる状況を何度か繰り返していると、めまいは自然に消えます。

めまいのメカニズム

発症の原因は不明です。なんらかの理由で三半規管に入り込んだ耳石が動いて、感覚神経を刺激するためと考えられています。

頭部外傷や打撲、慢性中耳炎の後や、薬剤内耳障害によりこの病気がおこる場合があります。

(3)外リンパ瘻

症状

激しいめまいが生じ、難聴が急激にすすみます。まれにめまいはおこらず、難聴や耳鳴りだけがおこる場合があります。

めまいのメカニズム

くしゃみやせき、鼻を強くかむ、排便時の力み、飛行機の急な上昇や下降、スキューバダイビングにより、中耳と内耳を隔てる前庭窓または蝸牛窓がやぶれ(両方がやぶれることもある)、内耳にある外リンパが中耳に漏れ出し、内耳が障害されるため症状が現れます。

(4)前庭神経炎

症状

突発的な回転性のめまいが数時間~数日続き、めまいがおさまってもふらつく感じが数ヶ月も続くことがあります。

めまいのメカニズム

確かな原因は不明ですが、風邪にかかった後に発症しやすいといわれているため、ウィルス感染により、前庭神経に障害がおきると考えられます。


3)めまいの7つの予防ポイント

めまいを予防するにはストレスをためず、身体の生理機能を調整津している自律神経のバランスが乱れないようにすることです。また、日頃から心身の健康に関心を持ち、健康的な生活を心がけることが大切です。

ぜひ7つのポイントを心がけてみてください。

(1)ストレスコントロール

(2)規則正しい生活

(3)バランスの良い食事

(4)飲酒は適度に(めまいがする時は禁酒)

(5)禁煙(脳や内耳に送られる酸素が減るため)

(6)運動をする習慣をつける

(7)十分な睡眠


   


今回のまとめ

1)三半規管は頭が動いた方向や速さを認識する

2)めまいは内耳の水腫や三半規管に入り込んだ耳石、前庭神経炎などが原因でおこる

3)めまい予防はストレスコントロールと健康的な生活