病気で寝込む女性

咳の原因として考えられる病気は非常に種類が多く、代表的なものだけでも30種類以上になります。

短期間でおさまる場合は風邪であることが多いですが、三週間以上続くような場合は医師の診断を受けて、原因を特定する必要があります。今回は咳が止まらない病気とその治療法をお伝えします。


 


咳が止まらない13種類の病気!治療方法とは


1)咳が止まらない3つの代表的症状

気道内に蓄積した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除する防御反応のことを、咳と呼びます。

咳が続く期間によって、3種類に分類されます。

(1)急性咳嗽

3週間未満で収まる咳のことを、急性咳嗽と呼びます。

(2)亜急性咳嗽

3週間以上8週間未満の期間で収まる咳のことを、亜急性咳嗽と呼びます。

(3)慢性咳嗽

胸部レントゲン写真や肺機能検査に異常がないのにも関わらず、8週間以上もつづく咳のことを、慢性咳嗽と呼びます。

2)咳が止まらない場合へ自分でできる4つの対処方法

(1)加湿器を使う

空気の乾燥が、咳の原因になる場合があります。加湿器などを使用して空気に潤いを与えると、症状が軽くなることがあります。

(2)喉を温める

咳や喉の痛みは、温めることで緩和します。

特に温かい飲み物で体全体の体温を上げることは有効で、特に、熱めの生姜湯がおすすめです。

生姜には咳や痰、のどの痛みを鎮める作用、強力な発汗作用、胃腸の働きを良くする作用が含まれ、風邪のひき始めは生姜湯だけで治るといわれるほどです。

冬はタオルやネックウォーマーを、夏は薄手のタオルを首のまわりに巻き、外側から温めることによって症状が緩和することもあります。

(3)市販薬を服用する

アレルギー性の咳であるとは判明している場合は、抗ヒスタミン剤を配合したOTC医薬品が効果的であるとされています。

(4)医師の診断を受ける

2週間以上も咳が続いている場合、痰に血液が混ざっている場合などは、呼吸器の疾患が考えられます。

それ以外でも症状が強い場合などは、早めに内科か呼吸器科の医師の診察を受けるようにしましょう。

咳の原因となる病気は、種類が多いのが特徴です。原因をなかなか特定できない場合もありますし、早めに治療をはじめた方が治るのも早くなる傾向があります。

3)咳が止まらない場合に考えられる13の病気

(1)アトピー性咳嗽

アレルギー性鼻炎の人が、主に風邪をきっかけに回復後もアレルギー症状として咳が残ってしまう現象のことをこう呼びます。

喉頭や気管の掻痒感を伴い、乾いた咳が出てきます。

この咳が出やすい時間帯は、就寝時、深夜から早朝、起床時、早朝の順に多いとされ、冷気、暖気、会話、受動喫煙、運動、香水の臭いなどによって誘因されます。

(2)喉頭アレルギー

大気汚染、ハウスダスト、カビ、スギ花粉などの花粉、黄砂などが原因で発生します。

長くつづく咳、喉のイガイガ感、チクチク感、喉のかゆみといった症状があり、喉が真っ赤に腫れるといった咽頭炎の症状はなく、咳どめの薬にも反応することがありません。

急激に喉が腫れて空気の通り道が狭くなり、呼吸ができなくなる急性型と、喘息やアレルギー性鼻炎のように比較的緩やかな経過をたどる慢性型とに分類されます。

このうちの慢性型は症状が風邪と紛らわしく、注意が必要になります。

(3)かぜ症候群

鼻腔・咽頭・喉頭・扁桃など上気道の急性炎症をきたしてくる疾患群の総称になります。

鼻炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、咽喉頭炎など、それに、インフルエンザや副鼻腔炎など、実際には100種類以上もの病気が、似たような症状を起こすことからこのかぜ症候群として総括されています。

強力なインフルエンザなどは短期間での完治は難しいですが、抵抗力のある大人の場合は温かくしながら一晩安静にしていれば回復することが多いです。

(4)気管支喘息

長く続く咳の原因としては、気管支喘息の割合が高いといわれています。気管支喘息は、気道が炎症を起こすことが原因で発症します。

喘息の人の気道は症状がないときでも常に炎症をおこしており、気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。

炎症が起こっている気道はとても敏感になっていて、正常な気道ならなんともないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作が起きます。

小児期に発症するイメージが強いですが、気管支喘息は何歳からでも発症しますし、アレルギーに全くならなかった人でも起こりえます。

60歳を過ぎてからの発症が、増加傾向にあります。咳が長く続く場合は、まずは気管支喘息を疑いながら病院で検査を受けましょう。

気管支喘息で出る痰は粘着性が高く、痰だけで気道を閉塞させてしまうほど危険です。

(5)後鼻漏

鼻水が喉に流れ落ちてくる症状のことを、後鼻漏と呼びます。鼻と喉はつながっているため、鼻水の一部がノドに流れることは誰にでも起こります。

通常は鼻水が大量に分泌されればその多くは鼻の穴から前方へ出ていくのですが、後鼻漏の場合は、いくら鼻をかんでも鼻水が前方から出ることはなく、絶えずノドに流れ込んできます。

絶えず不快感がありますし、痰も絡みやすくなり、口の中がネバつきます。

口臭の発生、仰向けで睡眠ができない、食事の味が薄く感じる味覚障害などの症状を併発します。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

(6)サルコイドーシス

ラテン語で「肉のようなものができる病気」という意味になります。

目に見える大きさのものから顕微鏡でやっと見えるようなものまで、大小様々な類上皮細胞肉芽腫という「肉のかたまりのような」組織ができるわけですが、癌とちがって悪性疾患ではありません。

この病巣が肺に出きたとき、肺が傷つき、炎症したり、圧迫され、咳が出やすくなります。呼吸困難や胸の痛みを併発することがあります。

(7)COPD(慢性閉塞性肺疾患)

空気の通り道である気管支が炎症で膨らんだり、酸素を取り込む肺胞が炎症で傷ついてしまう症状のことを、COPDと呼びます。

タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入することで発症する肺の炎症性疾患で、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

気管支が詰まると呼吸がしにくくなり、肺胞が破壊されると呼吸が浅くなっていきます。

COPDそのものの進行はゆっくりですが、徐々に蝕まれていくために症状の悪化に気づきにくいという特徴があります。

風邪などで一気に症状が悪化することもあり、突発的に呼吸困難が発生する傾向があります。

(8)咳喘息

喘息と同様に気管支を収縮させる物質に過敏な状態ですが、ゼエゼエする特徴的な喘息の症状は出ず、発作的な咳が出る喘息のことを、咳喘息と呼びます。

咳喘息は、まだ完全に喘息になりきっていない、喘息の初期移行期であるとも考えられています。

咳喘息を放置すると本格的な喘息に移行してしまうことがあるので、そうなる前に咳が長くつづく場合には医師の診断を受けるようにしてください。

(9)肺がん

肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものを肺がんと呼びます。肺がんによって喉が枯れ、出る乾燥した咳が長く続く場合があります。

痰に血が混ざったり、胸の痛みを併発することもあります。

ただし、これらは肺がん特有の症状でもないため、すべての症状にあてはまっていたとしても、肺がんであるとは限りません。

肺がんではないにせよ、長く続く咳は体が不調を訴えているサインですので、医療機関への早めの受診が大切です。

(10)肺結核

感染力の強い結核菌が引き起こす、感染症の一種になります。結核菌が体内に入り、肺の内部で増殖することによって起こります。

発症すると、咳と痰が出る、微熱、息苦しい、胸が痛い、食欲がないなどの症状が現れます。

症状がかぜに似ているため、注意が必要となります。肺結核は、近年の日本では減少傾向にあります。

(11)百日咳

気管支や気道の粘膜に感染することで発症する病気です。以前は乳幼児限定の病気とされていましたが、成人がかかることもあります。

免疫抗体がない乳幼児に感染すると、、乳幼児では肺炎や脳症を併発して重症化する恐れがあります。

大人がかかると重症化はせず、鼻風邪のような症状になり、特に軽い咳がいつまでもつづき、なかなか治らない状態になります。

それ以上に重体化はしませんが、つらくて体力が奪われます。

(12)マイコプラズマ肺炎

普通の肺炎ではる気管支や、肺胞が損傷されるのですが、このマイコプラズマ肺炎では気管支や肺胞の外部にある間質という組織で炎症を起こします。

そのため、聴診器で診断をしても異常を認めにくく、診断がしにくく、同時に発見が遅れやすい肺炎になります。

早朝や深夜に発作的に強い咳が出る病気で、飛沫による感染力が非常に強いという特徴があります。感染しやすい子供がマイコプラズマ肺炎にかかると、家族に広がることが多いです。

(13)慢性咳嗽

慢性咳嗽とは、病気そのものの呼び名ではなく、咳が長く続く状態のことをこう呼びます。

夜、寝る前に咳が出やすい、乾燥すると渇いた咳が出やすい、温かいや寒いなど急激な温度変化で咳が出やすいなどの症状を持ち、しかし特定の病気と診断しきれない場合には、慢性咳嗽と判断されることがあります。

いろいろな原因が考えられますが、現在の日本では副鼻腔気管支症候群、咳喘息、アトピー咳嗽の順で多いとされています。

胸部レントゲンや肺機能、炎症反応で異常が見れれれば原因の特定は難しくはありませんが、異常が認められない場合は一番疑わしい病気の治療をして経過を観察し、その効果を確認することで診察を進めます。

group of doctors meeting at hospital office

4)咳が止まらない症状が続く場合にすべき検査方法

(1)内科

咳の原因として考えられる病気は、多種多様です。

アレルギーからくる咳なのか、ウイルスからくる咳なのか、ただの風邪からくる咳なのか、素人が判断をすることは困難だと思います。

自覚症状などから原因が予想つかない場合は、まず内科を受診するようにしましょう。

(2)専門家

内科で大体のめどをつけてから、耳鼻咽喉科やアレルギー科、呼吸器科などの専門科を受診でば、比較的早く原因を解明できると思います。

たくさんの科がある総合病院をまず受診するのも、いいでしょう。診察を受けたあとは、それぞれの専門医の指示と治療方針に従ってください。

5)咳が止まらない症状へ日常からできる4つの予防ポイント

(1)食事に気をつける

アルコールや唐辛子などの刺激の強い食べ物は喉から水分を奪い、痰を増やす原因になります。痰が増えるとそれを排除しようとして咳も多くなります。

逆に咳を止める効果がある食べ物としては、大根などがあります。大根に含まれる辛み成分・アリル化合物には殺菌作用や抗炎症作用があるため、咳や喉の痛みを鎮めてくれます。

(2)こまめに掃除をする・ほこりを防ぐ

咳は、空気中の異物が気道に入ることで発生します。したがって、空気中から異物を排除してしまえば咳も抑えることができます。

こまめに部屋を掃除してホコリを除去しておくことも、咳の予防にもつながります。

(3)マスクをする

マスクをすることによって、病原体が体内に入ることをある程度防ぐことができます。

(4)うがい・手洗いをする習慣をつける

外出先から帰ってきたら、うがいや手洗いをする習慣をつけると、咳の原因となる病気をある程度は防ぐことができます。


   


今回のまとめ

1)咳の原因として考えられる病気は非常に種類が多く、代表的なものだけでも30種類以上になります。

2)短期間でおさまる場合は風邪であることが多いですが、3週間以上に渡って咳が治まらない場合には、すぐに医師の診断を受けて治療してもらうようにしてください。

3)自分でできる対処としては、加湿器などを使って室内の湿度を高くする、喉を温める、市販薬を服用するなどがあります。

4)予防法としては、食事に気をつける、掃除をしてほこりを少なくする、マスクをする、うがいや手洗いの習慣をつけるなどがあります。