シニア男性と握手をする女性医師

咳をすると頭が痛くなることはありませんか。ほとんどの場合は風邪などの病気が隠れていますが、治るまで咳をしていると何も手につきませんよね。

激しい咳や長引く咳は体力の消耗につながります。今回は咳と頭痛の関連性や、咳の対処法をご紹介いたします。


   


咳と頭痛の3大原因!3種類の解消法とは


1)2種類の咳とは

咳は鼻、喉、気管、肺などに異物を感知する咳受容体に、刺激が伝わると脳内にある咳をコントロールする咳中枢から、咳を出すように気管に命令を出します。

短く息を吸うと声門を閉じ、肺の圧力があがると声門が勢いよく開いて気道にあるものが押し出されます。これが咳です。

このように咳は各器官から入った異物を排除する、重要な防衛機能の役割を持っています。たとえば、ほこりを吸い込んだ時に咳がでます。

これも防衛機能が働いたためです。異物が入っていなくても薬の副作用や精神的な刺激で、咳が止まらなくなることもあります。

また、咳には乾性咳嗽と湿性咳嗽の2種類があります。

(1)乾性咳嗽

コンコン、ケンケンという乾いた咳があり、痰は出ません。

長引く咳が原因で体力の消耗が激しい場合、咳が原因で眠れない場合は、咳中枢神経に働く薬を使用して咳を鎮めます。

(2)湿性咳嗽

ゴホンゴホン、ゼーゼーという痰を伴う咳です。咳を鎮めると症状が悪化することがあります。

痰は気管支やのどの分泌液に細菌や白血球、細胞が死んだものが混じったものです。

そのため激しい咳や、咳による体力の消耗が見られる場合、咳止めは使わず呼吸を楽にする薬や痰を外に出す去痰薬が使用されます。

咳を鎮めるとかえって病気が悪化することがあります。自己診断で市販の咳止めを使用することは控えましょう。

咳を鎮めるには原因を突き止め、適切な対処が必要です。


2)咳と頭痛がセットで起きる3種類の病気

(1)1次性咳嗽性頭痛

頭蓋内の病気がなく、咳や息んだときに突然誘発される頭痛があります。

症状に個人差があり、爆発的や鈍痛、刺すような痛み、脈打つような痛みが30秒~2時間で痛みが続きます。

発症率は非常に低く、高齢の男性にみられます。

また、アーノルド・キアリ奇形Ⅰ型という病気の患者の40%が2次性咳嗽性頭痛を併発します。

なお1次性とは頭痛そのものが病気であること、2次性は別の病気が原因でおこる頭痛のであることを意味します。

(2)感染性呼吸器疾患

かぜ症候群、インフルエンザ、急性気管支炎、ジフテリア、肺結核、細菌性肺炎、クラミジア肺炎、百日咳、マイコプラズマ、真菌性肺炎、などで咳と頭痛がおこります。

これらの疾患は、ウィルス(ライノ・RS・コロナ・麻疹、インフルエンザなど)や細菌(インフルエンザ悍菌、肺炎球菌、ブドウ球菌、百日咳、結核菌など)マイコプラズマ、カビなどに感染して炎症がおこります。

(3)精神疾患

うつ病、心身症、神経症などで咳と頭痛がおこります。この疾患は社会的、心理的なことが引き金となって発症します。

治療は抗うつ薬を中心とした薬物療法が中心になりますが、休養をとることが大切です。精神疾患で咳がでる場合は、乾いた咳(コンコン、ケンケン)がでる共通点があります。

また、ストレスがたまっている場合や、休養不足の場合にも乾いた咳が止まらない症状がでます。この場合は1日休養をとるだけで改善します。

咳をする若い男性


3)咳を鎮める3つの方法

止まらない咳は苦しいものです。また、職場や学校などで咳をしていると周囲の目も気になりますよね。

ここでは処方薬の簡単な解説、理学療法、民間療法をご紹介いたします。参考にしてみてください。なお、効果には個人差があります

 (Ⅰ)咳を鎮める処方薬

・中枢性鎮咳薬

乾性咳嗽に有効です。咳中枢の反応を抑えて咳反射を抑制します。麻薬性と非麻薬性があり、麻薬性は効き目が強い分、呼吸抑制の副作用が懸念されます。

・末梢神経性鎮咳薬

湿性咳嗽に有効です。薬により気道粘膜の神経を抑制や、去痰、あるいは気管支を広げる目的で去痰薬、気管支拡張薬が処方されます。

・咳を予防する薬

気管支炎や肺炎、喘息など気管支に炎症のある疾患に炎症を抑える目的で生薬や抗炎症薬、ステロイド剤、抗ヒスタミン薬が処方されます。

・漢方薬

麦門冬湯を中心にした漢方が、咳や痰の症状にあわせて処方されます。種類により効果が感じられるのに、2週間~1ヶ月かかることがあります。

 (2)理学療法

私たちが普段、無意識に行っている呼吸法では咳が長く続くと息苦しくなります。

呼吸器科のある病院には、体力を消耗しない呼吸法や咳のしかた、「排痰トレーニング」を指導してくれる病院があります。

興味のある方は主治医に聞いてみてください。今回はその呼吸法の中から、一番ポピュラーな「腹式呼吸」を紹介いたします。

 ・腹式呼吸

まず、背筋をのばして、鼻からゆっくり息を吸い込みます。この時おなかに空気をためるように、おなかを膨らませます。

次に、おなかにためた空気を口から吐き出します。身体中の悪いものをすでて出し切るよう、吸うときよりも吐く時間が倍になるようなイメージで吐き出します

するとおなかが、ぺちゃんこになるはずです。

このような要領で1日5回くらいのペースで始め、無理をしないように10回20回と増やしていきましょう。

 (3)休養をとる

熱がない場合はゆっくりと湯船につかり、身体を温めましょう。栄養のあるものを食べて、睡眠をとります。基本的なことですが、咳を鎮めるのには有効です。

食事ですが、栄養のバランスだけでなく、咳を鎮める食べ物を一緒に摂ると良いでしょう。

昔から伝えられている咳を鎮めるといわれている食べ物には、医学的証明がされていなくとも咳を鎮める効果があるものがあります。

・咳を鎮める食べ物

れんこん、大根、金柑、しそ、しょうが、ネギ、なし、ゆず、みかんの皮を干したもの、ゆり根、ハチミツ、ビワの葉、白きくらげ、ニンジン、うめ、オオバコ、南天の実、黒豆、銀杏、干ししいたけ、黒ゴマなど。

ちなみにネギを首に巻く場合は、まずネギを5㎝ぐらいに切って焼きます。

冷ましてから縦切りにしてからガーゼにくるみ、喉元にあてましょう。買ってきた長ネギを巻いても効果はありません。


   


今回のまとめ

1)咳とは各器官から入った異物を排除する、重要な防衛機能

2)咳と頭痛がおきる病気とは1次性咳嗽性頭痛、感染性呼吸器疾患、精神疾患

3)咳を鎮める3つの方法は薬物療法、理学療法、休養