頭を抱え込んでいる女性

眠るとき、疲れて横になろうとしたときなどに、突然目が回るような症状に襲われるととても怖いですよね。「疲れているだけ」と放置すると思わぬ事態になってしまう場合も。今回は、横になると目が回る症状について、考えられる原因と病気をご紹介します。


   


横になると目が回る訳は?要注意の4大原因と対処方法


1)どんな症状が?横になると目が回る場合の症状

立っている時には何の問題も無くても、横になると目が回る場合があります。目が回ることによって、強い不快感や吐き気などの乗り物酔いにも似たような症状を併発する場合もあります。何より、突然そのような症状に見舞われてしまうと戸惑ったり、慌ててしまうことも多いかもしれません。

疲れなどを原因とした一時的なものなのか、それとも何か病気が隠れているのか、小さな症状の違いにも注意し、適切な行動をとる必要があります。

2)横になると目が回るのはなぜ?症状の主な4大原因とは

(1)疲労

日常生活の疲れの蓄積を原因として、めまいが症状として現れる事がよくあります。基本的には、横になるなどの姿勢はあまり関係ないものなのですが、人によっては横になった場合にのみ症状が現れる場合もあるようです。疲れは、本人が思っている以上に蓄積されています。

めまいや頭痛、ストレスを感じるようであれば無理をせず、体を休める事を最優先に考えましょう。多くの場合でしっかりと休息を取る事で、症状は和らいでいき長く続くものではありません。疲れに関係なく症状が発生する場合には、他の原因にも注意する必要があります。

(2)更年期障害

50代から60代の女性に訪れる更年期障害ですが、近年では40代などの比較的若い世代の方にも「若年性更年期障害」として症状が現れてしまう場合があります。更年期障害と言えば、イライラや「ホットフラッシュ」と呼ばれる火照りなどが症状としてよく知られていますが、女性ホルモンのバランスの変化などで、思わぬ症状が現れる事もよくあります。

めまいもその一つであり、更年期障害の時期に頭痛や吐き気、血圧の変化などとともによく発症します。無理をせず、体をしっかりと休める事が最優先ですが、日常生活に支障をきたす程の症状の場合にはためらわずに医師の診察を受ける事をおすすめします。

(3)頭痛を原因とするもの

偏頭痛や緊張性頭痛など、日常的に頭痛を患っている方も多いとは思いますが、症状の程度によってはめまいや吐き気などを感じる場合もあります。痛みが強いことによるめまいの場合もありますが、頭痛や原因として他の病気が隠れている場合があります。継続的に症状が発生する場合や、我慢できない程の痛み、また鎮痛剤も聞かないような痛みの場合には、できるだけ速やかに病院を受診することをおすすめします。

(4)VDT症候群

VDT症候群とは、VDT(ビジュアル ディスプレイ ターミナル)と呼ばれるパソコンやスマホなどの画面を長時間見つめるような作業を原因として、目や体、時には心にも症状が現れる症状で、「IT眼症状」とも呼ばれています。デスクワークや趣味のゲームなどで画面を長時間見つめる事が多い場合には、注意が必要です。症状として、目の疲れや痛み、視力低下などや、肩こりや腕の痛みなどの身体の症状、また精神的な症状としてイライラや不安感などを生じる場合もあります。

めまいも症状のひとつで、画面を見るときは横になったり座ったりといった姿勢も多く、それが「横になると(体勢を変えると)目が回る」と感じられる場合もあります。対策としては、1時間ごとに10分から15分ほどの休憩を挟んだり、時折体操などで身体を動かす事などがあります。日常生活で目をきちんと休めていても症状が治まらない場合や、他の症状も起こっている場合などには、できるだけ早い段階で眼科医を受診する事をおすすめします。

3)試せる応急処置はあるの?痛みへの対処方法とは

原則として、どの症状の場合にも安静にし、体をしっかりと休める必要があります。目の疲れなどが原因の場合には、温めたタオルなどで目を外側から温めるだけでも症状が改善する場合があります。また、コンタクトやメガネの度が合っていない状態も目に負担をかける事になり、適正な度数で矯正する必要があります。

また身体に負担を掛けない程度に体を動かす事で、血流の改善により症状が和らぐことがありますが、症状が悪化しそうな場合には避けてください。横になるとめまいがひどくなる場合には、休息する事ができずどんどん疲労を蓄積してしまう事になります。無理をせず、できるだけ早く病院を受診しましょう。

4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

症状が数分から数十分程度の短時間で一度きりの場合には、必要以上に心配する事はありませんが、強く症状が現れている場合や長時間にわたって続く場合には、原因として重大な病気が隠れている事もあります。自分で判断せず、医師の診察を受ける事を強くおすすめします。また、どのような時に症状が悪化し、どのような時に楽になるのかを把握しておき、受診の際にはできるかぎり状況を医師に伝える事が大切です。

Doctors who have medical records and doctors have a tablet

5)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

(1)良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは、就寝時に横になったり、起き上がった場合などに数十秒から1分程度、めまいを起こす病気で、しびれなどの神経症状は現れません。首を後ろに動かしたり、振り向いたときなど首を動かしたときに「浮動感」と呼ばれる浮いているような感覚を感じる人もいるようです。また、めまいだけでなく、立ちくらみや不安定感などを感じる場合も多く見られます。

50代から60代以上の、比較的高齢の方や更年期後の方に多く発症します。実は、横になった時に目が回る原因のほとんどがこの病気であり、女性にはよく起こる病気です。内耳と呼ばれる耳の内部にある、耳石と呼ばれる平衡感覚などに関係するものが剥がれ落ち、頭を動かしたときなどにめまいとして症状が現れます。

(2)メニエール病

メニエール病とは、こちらも内耳の病気で、精神的な気質などを原因として起こると言われています。神経質な人や、几帳面な性格の人に発症しやすく、また精神的なストレスや睡眠不足なども原因となる場合があります。「回転性めまい」と呼ばれる視界がぐるぐると回るようなめまいに襲われる事が特徴で、数分から数時間程度、症状が長く続く事が特徴です。

姿勢に関係なく発作を起こす病気ですが、こちらも人によっては横になった場合に症状が強くなる場合もあり、注意が必要です。命に関わるような病気ではありませんが、吐き気や冷や汗などの症状が併発する事もあり、日常生活には大きな支障を来します。また、ふらつきによる転倒や自動車などとの接触など、けがや事故の原因ともなりかねない為、病院を受診する必要があります。

(3)脳の病気を原因とするもの

小脳出血や、脳梗塞などもめまいの原因となる場合があります。脳が関係している病気では、頭を動かす事で症状が悪化する場合もあり、こちらも原因として考えられます。また、出血や血管の詰まりなど重篤な症状の原因となる場合もあり、速やかに病院を受診しなければ命に関わる場合があります。意識が遠くなる感じや、頭を殴られたような非常に強い頭痛を感じた場合などは迷わず救急車を呼ぶ必要があります。

6)治まらない場合は専門家へ!症状への検査・治療方法

原因と考えられる病気によっても異なりますが、頭痛や吐き気など脳や神経系などが関連していると思われる場合には脳外科や脳神経外科を、目の疲れや痛みなど、目に関する症状を伴う場合には眼科を受診してください。またメニエール病などの耳に関連するものと考えられる場合には耳鼻科を受診します。判断に迷う場合にはかかりつけの医師か、総合病院などの規模の大きな病院の内科を受診し、適切な診療科を紹介してもらうと良いでしょう。

(1)検査方法

血液検査、目視による診察の他に、CTやMRIなどの画像診断が行われます。費用は画像診断では撮影する範囲や枚数により異なりますが、他の検査も含めて概ね3,000円から10,000円程度です。また、他の診療科を紹介された場合には同じ検査を再度実施する場合もある為、合算すると費用が高額になる場合もあります。初診料は高くても、総合病院などを受診した方がかえって安く費用を抑えられる場合もあります。

(2)治療方法

治療方法は、原因となる病気や診療科目によっても大きく異なってきます。疲労や、目の疲れを原因とする病気、また更年期障害に伴う症状の場合などには、対症療法と呼ばれる原因ではなく症状を緩和する治療が行われる場合が多く見られます。

良性発作性頭位めまい症の場合には、耳石を除去する手術を行う事によって症状が大幅に改善される事が多いのですが、長距離の車の運転ができなくなるなど、今後の日常生活に多少の影響が出る場合もあります。また、対症療法では比較的安い薬を使った治療が可能な為、費用も月数千円から10,000円程度に抑えられますが、手術の場合では費用が高額になる場合もあります。

※上記費用は、2割負担での一般的な計算です。検査内容(特に画像診断では、撮影する範囲や枚数によって大きく金額は異なります)や、治療の方針・期間などによっては費用が高額になる場合もあります。高額になった場合の為に、加入している保険の高額療養費制度(一定額以上の医療費となった場合に、超えた額を保険組合などが負担する制度)なども調べておくと安心です。

7)生活習慣を改善しよう!横になると目が回る症状への予防習慣

日常生活での予防としては、極力疲労を溜めず、しっかりと身体を休める事が大切です。また、デスクワークなどで画面を長時間見ざるを得ない場合は、ブルーライト(PCやスマホの画面から出る光で、紫外線の次に強く、目の疲れの原因とされています)を抑制するためのメガネを着用したり、少しでも時間を作って目を休める事も大切です。

また、脳の病気を防ぐためには十分な睡眠と食生活への配慮も欠かせません。脂肪分などの摂取を抑え、野菜や魚介類などを中心とした食生活が望ましいでしょう。また、医学的な根拠にはまだまだ乏しいものですが、寝返りを打つことで良性発作性頭位めまい症を予防できるのではないかとも考えられています。今後の研究によって、情報がより充実すると期待したいですね。


   


今回のまとめ

1)どんな症状が?横になると目が回る場合の症状

2)横になると目が回るのはなぜ?症状の3大原因とは

3)試せる応急処置はあるの?痛みへの対処方法とは

4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

5 )症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

6)治まらない場合は専門家へ!症状への検査・治療方法

7)生活習慣を改善しよう!横になると目が回る症状への予防習慣