聴診器と病院の資料

人間の脳の中の「前頭葉」は、人間であるための思考や創造力などを担う最高中枢と考えられています。

この前頭葉の頭痛の原因には慢性的なもののほか、重大な疾患が隠れていることもあります。今回はその原因と対処法などについてご紹介します。


   


前頭葉の頭痛の2大原因!4つの重大な病気とは


1)脳の構造と前頭葉

(1)3つの脳

人間の脳は大きく「大脳」、「小脳」、「脳幹」の3つに分けられます。その中で、人間が考えたり、感じたり、言語を話したり、記憶したりといった非常に大きな役割を果たすのが大脳です。

無論、小脳や脳幹もそれぞれ重要な働きを持っていますが、他の動物と比べて特に発達しているのがこの大脳といえます。人間は動物の中で最も知能が発達していると いわれますが、それはこの大脳の発達によるものなのです。

(2)前頭葉の位置と構成

大脳の表面部分を「大脳皮質」といい、大脳皮質はよく知られているようにしわしわのものです。大脳はこの大きなしわによって、「前頭葉」、「頭頂葉」、「側頭葉」、「後頭葉」の部位に分けられます。

前頭葉は、「大脳半球」の前部、つまり、大脳半球の中心を走る溝より前方の領域に位置します。 前頭葉は、「前頭前野」、「運動野」、「運動前野」に分けられ、運動野は頭頂葉に接する部分 であり、その前方に運動前野があります。

但し、一般的に前頭葉といえば前頭前野のこと を指し、人間が人間であるための思考や創造力などを担う脳の最高中枢と考えられています。


2)前頭葉の特徴的な3つの役割

前頭葉は、脳の最高中枢であることから、一般的に脳の「司令塔の役割」を果たしている といわれています。

前頭葉の最も特徴的な役割は、「意欲」、「創造」、「実行」の3つだといわれており、大脳全体から得た情報をもとに現状認識を行い、行動するといった働きを持 ちます。

また、前頭葉は人間の思考や理性を制御しています。自発性や感情、性格などの中心とな るのもこの前頭葉です。人間が感情を抑え、理性的に行動できるのは前頭葉の働きがある からなのです。


3)前頭葉の頭痛の原因

(1)片頭痛と緊張型頭痛

前頭葉の頭痛の原因にはさまざまなものが想定されますが、最も多いのは「片頭痛」ならびに「緊張型頭痛」と考えられます。

・片頭痛

片頭痛は、ストレスやホルモンバランスや生活習慣の乱れなどがおもな原因と考えられて います。女性に多く発症し、男性よりも 3.6 倍も多いとのデータもあります。

特に 30 代女 性の約 20%は片頭痛を持っているといわれているほどです。 片頭痛は頭の酸素が不足して脳の血管が拡張して起こり、ズキズキと脈を打つのと同時に痛むのが特徴です。

人にもよりますが、この片頭痛が起こる予兆として、目の前にチカチ カとしたフラッシュのような光や、ギザギザした光が現れたりすることがあるようです。

・緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭痛全体の原因の約 70%を占めます。発症の要因は、デスクワークや車の運 転などで同じ体勢を長時間とり続けることで、首や肩、頭部までが緊張状態に陥り、筋肉 が疲労して血行が悪くなることなどで生じます。

きちんとした対処法を講じれば特に心配するものではないと考えられますが、慢性化する場合が多く、そうなると非常に厄介であ るといえます。

Doctor talking to his female senior patient

(2)重大な疾患

前頭葉の頭痛が頻繁に、あるいは定期的に起こるというような場合には、脳の重大な疾患の二次症状として考えておくことも必要かも知れません。

・くも膜下出血

くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂などにより、脳を覆うくも膜下に血液が溜まってしまう非 常に危険な病気です。40 代以上に多く、突然頭が割れるようなガーンとした激痛に襲われ、 その後吐き気や意識低下などが起きることが特徴です。

予兆としては、発症する2週間から1カ月くらい前に頭痛が現れることが知られています。 とりわけ注目すべきは、「痛さの強度ではなく、頭痛の持続性」です。高頻度に頭痛が起こ る場合は危険信号かも知れません。

・脳出血

脳出血は、多くの場合、高血圧が原因といわれ、脳の血管が破れて出血するものです。その血液が固まり脳内を圧迫して頭痛が起こります。頭痛のほか、吐き気や手足の麻痺、言葉のもつれなどの症状が現れることが特徴と考えられています。

・脳腫瘍

脳内に腫瘍ができ、その腫瘍が脳内を圧迫して頭痛を発生させます。脳腫瘍の発生のメカニズムは未だはっきりとは解明されていませんが、日常の食生活やストレスなどが影響していると考えられています。

・髄膜炎

髄膜とは、脳および脊髄を覆う膜のことですが、その膜にウイルスや細菌性の炎症が生じて激しい痛みが起こります。炎症が脳にまでおよぶと「脳炎」となり、麻痺や意識障害を伴います。


4)前頭葉の頭痛への対処法とは

前頭葉の頭痛が生じた場合、まずはその痛みの特徴を認識することが重

要です。万一、今までに感じたことのない痛みである場合や激痛である場合、痺れや痙攣、麻痺を伴う場合などを感知したときは、早急に最寄りの「頭痛外来」もしくは「脳神経外科」を受診して下さい。

片頭痛や緊張型頭痛であることが明確である場合には、以下の対処法をお勧めします。

(1)片頭痛の場合

自分が片頭痛を起こす要因を把握しておくことが大切です。週末に限って痛くなったり、 騒音や太陽光などが原因であったりすることもあります。

片頭痛の防止には、これらの要 因を避けることが一番ですが、頭痛が起きてしまったら可能な限り安静にし、照明を落と して睡眠をとることをお勧めします。

また、痛みを緩和させる方法は人それぞれともいえますが、頭を冷やす、揉む、タオルな どで締めつけるといった方法や、鎮痛剤として「アセトアミノフェン」や「「イブプロフェ ン」などの服用が効果的です。

(2)緊張型頭痛の場合

緊張型頭痛は、筋肉の緊張などが原因であることも多いため、血流改善のためにストレッチや体操、マッサージなどが有効です。

但し、精神的なストレスから頭痛を生じている場合はそのストレス解消に努めるとともに気分転換を図り、できるだけリラックスした気分になることが重要です。


   


今回のまとめ

1)前頭葉は大脳の一部であり、思考や創造力などを担う脳の最高中枢である。

2)前頭葉は脳の司令塔の役割を果たし、「意欲」、「創造」、「実行」の3つの役割が特徴的 である。

3)前頭葉付近の頭痛の原因は、多くが「片頭痛」もしくは「緊張型頭痛」であるが、「く も膜下出血」や「脳出血」、「髄膜炎」などの重大な疾患であることも想定する必要がある。

4)これまでに感じたことのない痛みや激痛であった場合などは、早急に「頭痛外来」あるいは「脳神経外科」を受診すべきである。

5)「片頭痛」ならびに「緊張型頭痛」であることが明確な場合は、その要因を避けるとともに、薬の服用やストレッチなど自分なりの緩和策を講じるべきである。

以上、「前頭葉の頭痛」に関して簡単にまとめました。繰り返しとなりますが、今までに感じたことのない痛みである場合や激痛である場合は躊躇せず、早急に医療機関を受診して下さい。