医師のチーム

現在、日本人の約3人に1人は「頭痛持ち」といわれています。そのため、頭痛は軽く考えられがちですが、実は重大な病気が隠れているかも知れません。

今回は頭痛になったときに受診すべき診療科や、受診する前に自分でチェックすべきことなどについて御紹介します。


   


頭痛が何科か迷ったら!3つの専門家とは


1)頭痛の主な 種類と症状のポイント

頭痛はごくありふれた病気です。現在15歳以上の日本人のうち、約3人に1人は「頭痛持ち」であり、国内で3,000万人以上の人がこれに悩まされているといわれています。

このことから、「頭痛くらい」と軽く考えられがちですが、頭痛がひどくなれば日常生活に支障をきたしたり、命に関わる病気が隠れている可能性も否定できません。

頭痛の原因はさまざまですが、種類としては特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛(一次性頭痛)と、病気が原因で現れる頭痛(二次性頭痛)に大別されます。

以下に頭痛の主な種類と症状のポイントを示します。自分の頭痛の状態をしっかりとチェックしてみて下さい。

(1)一次性頭痛

代表的な一次性頭痛は、「緊張型頭痛」、「片頭痛」、「群発性頭痛」の3つです。

・緊張型頭痛

最も多く見られる一次性頭痛です。年齢や性別を問わず誰もが発症する可能性のある頭痛です。ストレスや長時間のデスクワークなどによって、同じ姿勢を続けたことで血行が悪くなり、首や頭の筋肉が緊張してしまうことで起こります。

後頭部を中心に頭全体が締めつけられるような重苦しい痛みが特徴です。

・片頭痛

何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起こります。血管が拡張することで周辺の三叉神経を刺激し、それによって発生する炎症物質がさらに血管を拡張して発症します。

寝過ぎや寝不足、女性ホルモンの変動、疲労、光や音などの強い刺激も片頭痛の誘因と考えられています。

ズキズキと脈を打つような強い痛みで、時に吐き気などを伴います。頭や身体を動かすと頭に響きさらにひどくなる傾向があります。

・群発性頭痛

20~40代男性に多く見られ、患者は現在約1,000人に1人とほかの頭痛に比べて多くはありませんが、その痛みは強烈といわれています。原因はまだ解明されていない部分もありますが、目の奥にある内頸動脈が何らかの原因で拡張して発症すると考えられています。

季節の変わり目に年1~2回程度、1~2カ月の間、毎日夜中から朝方にかけて片方の目の奥がえぐられるような激痛が15分~3時間程度も継続します。片頭痛とは違ってじっとしていられず、壁に頭を打ちつけたり、頭を殴りたくなるような衝動に駆られるなど、激しい行動を伴います。

(2)二次性頭痛

二次性頭痛を起こす病気としては、「くも膜下出血」や「脳腫瘍」など、極めて危険なものが想定されます。これまでに経験したことのないような強い頭痛が突然現れたり、手足の麻痺やしびれ、痙攣、激しい嘔吐、高熱などを伴う頭痛が生じたときは、速やかに医療機関を受診する必要があります。


2)専門家に診てもらう場合は下記の3箇所

頭痛で病院に行こうとする場合、まず疑問に思うのは「何科に行けばいいか」ということだと思います。

身近なイメージから「一般内科」を思い浮かべる人は多いかと思いますが、一般内科では症状によって対応しきれないこともあります。

したがって、頭痛を専門に診る場合は「頭痛外来」が基本です。

(1)頭痛外来

(2)神経内科

(3)脳神経外科

万一、近くに頭痛外来がない場合は、脳や血管、神経の状態から診断し治療を行う「神経内科」や「脳神経外科」を受診すればよいでしょう。

Stethoscope with stack of books on wooden background. Medical literature concept


3)専門家が診る主な7つの診断

(1)問診

(2)手足の麻痺・筋肉に萎縮確認

頭痛診療では、まず問診を行い、その後座ったまま、あるいは仰向けになった状態で首や手足に麻痺や筋肉の萎縮などがないかを調べたりします。

(3)神経学的検査(歩行確認・姿勢確認など)

(4)画像検査

(5)脳血検査

(6)血液検査

(7)心理検査

歩行困難や姿勢の異常性といった症状の有無を確認する「神経学的検査」や、必要に応じて画像検査、脳血流検査などで脳内を詳しく調べたり、血液検査や心理検査などが行われます。


4)頭痛への主な4つの代表的検査

以下に脳内のおもな検査を示します。

(1)脳CT

放射線などを利用して脳の断面を撮影します。撮影は比較的短時間で、体内にペースメーカーなどが入っていても撮影可能です。

(2)脳MRI

磁気を用いて脳を断層撮影します。放射線被曝がなく造影剤なしでMRA(血管画像)を得ることができます。

(3)脳MRA

磁気を用いて脳内血管を撮影します。

(4)脳血流検査(SPECT)

放射性アイソトープを利用して脳血流を測定します。


4)専門家に診てもらう前に準備できる6つのチェック項目

いち早く頭痛の原因を突き止めるためには、病院へ行く前に自分でその症状を整理しておくことが重要です。このことによって、問診の段階でスムーズに症状が把握でき、スピーディな治療につながります。

自分でチェックしておきたい項目は以下の通りです。

(1)いつ、どのように始まり、どうなったか。初めて経験した頭痛か。

危険な頭痛の可能性はないか、最初にチェックするために必要な情報です。

(2)以前より時々ある頭痛か。どういう頻度で起こり、どれくらい持続するか。

頭痛の経過と頻度の把握および頭痛のタイプの診断に必要な情報です。

(3)どういうときに痛くなるか。身体を動かすと痛いか、または身体を動かすときが紛れるか。

「体動による嫌悪因子」があるかどうかの情報です。

(4)どういう痛みか。

痛みをどう感じているかの情報です。

(5)どこが痛いか。

目の奥や頭の後部といった場所の情報です。

(6)頭痛のほかの症状はあるか。

例えば嘔吐感や頭痛の前に目がチカチカするといった周辺情報です。


   


今回のまとめ

1)頭痛はごくありふれた病気で、「頭痛くらい」と軽く考えられがちであるが、症状によっては命に関わる病気が隠れているかも知れない。

2)頭痛の種類は、特に明確な病気ではないが繰り返し起こる「一次性頭痛」(緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛など)と、病気が原因で現れる「二次性頭痛」(くも膜下出血、脳腫瘍など)に分けられる。

3)頭痛で病院を訪れる場合は、頭痛を専門に診てくれる「頭痛外来」もしくは「神経内科」、「脳神経外科」が良い。

4)頭痛診療では、まず問診から始まり、手足の麻痺や筋肉の萎縮などを調べる。その後必要に応じてMRIなどの脳内検査を行う。

5)いち早く頭痛の原因を突き止めるために、病院を受診する前に自分でその症状を確認整理しておくことでスピーディな治療につながる。