カルテを記入している医者

頭痛にも色々な種類がありますが、その中でも頭皮に痛みを感じたら注意が必要です。頭皮の痛みは重病のサインの場合があり、放っておくと取り返しのつかないことになるかもしれません。今回は頭皮の神経痛の際に考えられる原因や病気を解説していきます。


   


頭皮の神経痛を解説!可能性のある原因と3種類の病気とは


1)そもそも頭皮の神経痛とは?

末梢神経が刺激されることに起因する痛みを感じることを神経痛と言います。一般的に、神経痛が起こるのは手や足先、関節などと言われていますが、頭皮においても神経痛が起こることがあります。また、シャンプーやブラッシングなどで頭皮に触れた時にも痛みます。

2)症状の解説!頭皮神経痛の3つの種類と特徴の違い

(1)頭皮がピリピリする

一瞬だけ電気が頭に走ったような痛みが生じます。それが数秒から数時間の感覚で繰り返します。

(2)常に頭皮に違和感を持つようになる

症状が悪化すると、痛みがない時でも頭皮がピリピリ痛む感覚が生じます。

(3)頭頂部や後頭部が痛む

頭全体が痛む普通の頭痛とは違い、頭頂部、後頭部に痛みを感じる特徴があります。それに伴い肩こりや眼精疲労などを生じることもあります。

3)痛むのはなぜ?頭皮神経痛の2大原因とは

(1)頭部神経の異常

頭部神経は後頭部にある2つの大きな神経です。身体にストレス、疲労が積み重なることで筋肉が硬直し、この頭部神経を圧迫する、または血液の流れが滞って栄養素の運搬がスムーズにいかなくなる、といった原因で痛みます。

(2)ストレス

緊張、心配、悩みなどの精神的ストレスを抱えていると頭部神経痛の原因になります。精神的ストレスは筋肉の硬直に伴う血管の圧迫を引き起こすため、神経に悪影響を与えます。また、働きすぎて疲れていたり、病み上がりなど、肉体的にストレスがかかっている状態でも頭部神経痛が発症しやすくなります。

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4)応急処置を!痛みへの対処方法とは?

(1)自然に治るのを待つ

頭部神経通はそっとしておくと自然に治る場合が多いので、安静にしておきます。

(2)身体を温める

身体を温めることで血流を改善し、栄養素が行き渡ることで痛みが和らぎます。逆に、身体が冷えると神経が痛みを鋭敏に感じ取るようになります。冷たいものは食べないようにしましょう。

5)症状が続く場合に!考えられる3種類の病気とは

通常はストレスが取り除かれると自然と治っていく頭皮神経痛ですが、それが長引いていつまでも治らない場合は別の病気の可能性があります。

(1)脳梗塞

脳梗塞とは脳の血管が詰まり、脳に栄養と酸素が供給されなくなり脳組織が壊死することを言います。脳梗塞の原因には脳血栓と脳塞栓があり、前者は脳動脈に脂肪や石灰が固着して血管が細くなる、または動脈壁が硬化してしまった状態を指します。後者は心臓などの脳以外でできた血栓がはがれて脳動脈まで移動し、そこで動脈を塞ぐことによって引き起こされます。

(2)脳腫瘍

脳とその周辺にある組織にできる腫瘍のことを脳腫瘍と言います。脳腫瘍は乳幼児から高齢者まで、どの年代でも起こり得る病気です。過剰なストレスの他、高タンパク、高脂肪な食品を摂りすぎたり、喫煙をするなどといったことが原因で引き起こされます。

(3)くも膜下出血

脳は外側から順に頭蓋骨、硬膜、くも膜、軟膜と覆われていますが、このくも膜の下に張り巡らされた血管が切れて出血した状態をくも膜下出血と呼びます。くも膜下出血が起こる前兆として、頭の痛みの他に、血圧が急激に上がったり下がったりを繰り返す、神経が圧迫されることによって目に痛みを感じる、物がぶれて見えるなどの異常が確認されます。

6)気になる場合は専門家へ!頭皮の痛みへ試したい検査方法

頭皮の痛みが長引く場合は、頭痛外来、神経内科、脳神経外科で診断してもらいましょう。

(1)脳梗塞

脳梗塞の検査では、頭部のCTやMRIを撮影します。CT(computed tomography)はX線を使用し身体を輪切りにした状態の断面図を表示して異常がないかどうかを調べる方法です。装置の中央に穴が開いていて、そこに身体を置いて検査します。脳梗塞であれば画像に黒く映った部分が表示されます。費用は8千円前後かかります。

MRI(Magnetic Resonanse Imaging)は磁気共鳴画像撮影と言い、CTとは違ってX線を使用せずに強力な磁場と高周波により、身体の断面を撮影します。また、MRIは身体を様々な角度から画像化することができます。費用は1万円ほどかかります。前兆のない脳梗塞を見つけるには血液検査を行います。脳梗塞の場合、血液検査で高血圧、高血糖、高脂血症と診断されると脳梗塞の可能性が高いと診断されます。他に、脳梗塞の患者は赤血球の働きが弱くなり、酸素の運搬が上手くできない、白血球の数が健康な人に比べて多いなどの特徴があります。費用は1万円前後かかります。

(2)脳腫瘍

脳腫瘍の場合も、脳梗塞と同じくCT、MRI検査を行い異常がないか調べます。場合によってはSPECT検査やPET検査などの画像診断も併せて行います。SPECT(Single Photon Emission CT)とは単光子放射断層撮影と呼ばれ、CTの機能に加えて、体内にごく少量の放射線を出す薬品を摂取し、体内での分布状況を画像で診断する方法です。これにより、臓器の働き具合や血流の状態がわかります。費用はおよそ2万円ほどかかります。

PET(Positron Emission Tomography)とは陽電子放射断層撮影と呼ばれます。悪性腫瘍はブドウ糖を多く細胞内に取り込みますが、この特徴を利用して悪性腫瘍の場所を特定する方法がPET検査です。費用は2万円前後かかります。

(3)くも膜下出血

くも膜下出血の検査も、まずCTを使用し出血部位を確認します。それでわからなかったらMRIで検査します。場合によっては腰に注射をして脳脊髄液に出血が見られるか確認を行います(腰椎穿刺)。

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7)病気の場合には?専門医で行われる可能性のある治療方法

(1)脳梗塞

一般的に、脳梗塞の治療医は点滴や内服薬に加えてリハビリテーションを用いて治療を行います。脳梗塞は血管の詰まりを早期に解消させる必要があります。そのための薬が「tPA」です。脳梗塞が発症してから3時間以内の使用が求められます。それを越すと脳出血を起こすリスクが高まります。

他には血液を固まらせにくくするヘパリン、アルガトロバン、ダメージを受けた脳細胞のむくみを取り除くグリセオール、マンニトール、脳細胞のダメージを抑えるエダラボンなどの薬も用いられます。エダラボンは腎臓が弱い人の使用はできません。脳梗塞の治療には約3ヶ月の入院が必要で、およそ13万円前後の費用がかかります。

(2)脳腫瘍

基本的に良性の腫瘍には手術を行い腫瘍の摘出をします。悪性の腫瘍にはそれ以外の放射線療法、化学療法、免疫療法が用いられます。放射線治療は定位放射線技術と言う、腫瘍に多方向から放射線を照射することにより、周囲の組織を傷つけにくくする方法がとられます。副作用として脱毛が起こることもあります。化学療法とは、抗がん剤や分子標的薬を用いた治療です。放射線治療と併用して行われます。そして、身体に元々備わっている免疫機能を強化して悪性腫瘍を抑えようとする治療が免疫療法です。脳腫瘍の手術には1ヶ月の入院で20万円前後かかる場合もあります。

(3)くも膜下出血

くも膜下出血において最も危険なのは脳動脈瘤からの再出血です。これを防ぐためにクリッピング術という、動脈瘤の付け根を金属製の器具を用いて閉じる方法、カテーテルを股の付け根の血管から入れて、動脈瘤の中を柔らかいコイルで満たすことで血液が動脈瘤に侵入するのを防ぐコイル塞栓術と言う方法があります。くも膜下出血には手術費用が100万円前後かかります。入院の平均期間は3ヶ月程度で、その他諸々の費用を含めると、くも膜下出血の治療には200万円ほどかかります。

8)生活習慣を整えよう!頭皮の神経痛への3つの予防習慣

(1)半身浴をする

頭皮の神経痛の予防にはストレスを溜めないことが重要なので、半身浴が効果的です。40度前後のお湯に20~30分、下半身だけ浸かると身体が温まり、リラックスできます。また、半身浴にはストレス解消の他にも、疲労回復、老廃物の排出、基礎代謝の向上などの効果があります。

(2)食事習慣

神経周りの血管の圧迫によって神経痛は起こります。なので、血行促進効果のあるビタミンA、Cが含まれた緑黄色野菜、EPA、DHAが豊富な青魚、ピーナッツなどに含まれるビタミンEを積極的に摂取すると頭皮の神経痛を予防できます。

(3)適度な運動をする

適度な運動はストレスの発散にもなります。また、水中ウォーキングは負荷がかかりにくい運動なのでおすすめです。あまり身体に負担がかかると神経痛が悪化するため注意します。


   


今回のまとめ

1)そもそも頭皮の神経痛とは?

2)症状の解説!頭皮神経痛の3つの種類と特徴の違い

3)痛むのはなぜ?頭皮神経痛の2大原因とは

4)応急処置を!痛みへの対処方法とは?

5)症状が続く場合に!考えられる3種類の病気とは

6)気になる場合は専門家へ!頭皮の痛みへ試したい検査方法

7)病気の場合には?専門医で行われる可能性のある治療方法